第96話 引き籠る

 心が沈むと、自然と外に出たくなくなる。

 こんな日は部屋に籠って居るのが一番だ。

 食べ物に強いこだわりも無いから、家に有るものでも平気だ。


 外は春を感じる日差しだが、私はそのお日様をレースカーテン越しから、間接的に受けている。

 外に出れば、きっと春を感じるだろう……


 でも、私は外に出る気になれない。

 体は外を少し求めるが、心はそれを拒否する!

 心に元気がなくなると、人の関わりを極端に嫌がるのが私だからだ。


 ため息を付いても、人生に転機は訪れないし、幸運もやって来ない。

 けど、心を回復させるには、狭い空間で私自身を慰めることが、一番適していると感じる。

 今日は引き籠るけど……明日はちゃんと外に出よう。



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