笑いを噛み殺す殿下

 未曾有の一大事という時であれ人の性とは悲しい。

「殿下! わしはちょっくらあれのところへいきますぞ!」

「料理長……本当にで行くのか」

 城への道で騎乗した臣下に会うと、主は問うた。

「問題が?」

「いや……料理長がいいなら、いい……」

 再び駆け始めたカエルムは、しばし笑いを噛み殺していた。



 *この一つ前の140字シレアの原因です。前にも少しネタにしましたが本編一番のクライマックス文章場外より。作者わたしでしたら絶対耐えられない。いえ、本当に。殿下もそうかもしれません。

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