第18話 王都で報告会
決戦? の場所は王都に決定した。
「だって、ここだとアメリアは土地勘がなくて不利だと思うの。
アレクシスは今まで遊んでた女性達が一杯でやりにくいと思うし。
王都なら全員初心者だもの」
ソフィーの独断と偏見で決まった。
オリバーが苦笑いして、
「ソフィー、君はこのチャンスに息子達を社交界慣れさせたいんだろう?」
「それもあるわ。それにアメリアを社交界デビューさせたいから、息子達に手伝わせると一石二鳥でしょう?」
「アメリアは王都暮らしだったんだ。だったら土地勘あるだろ?」
「えーっと、図書館と市場くらいなら」
「「「はっ?」」」
「アメリアは13歳からずっと働いてたから、どこにも行ってないんでしょう?
息子と結婚して欲しいと思った人のことだもの。
そのくらいは調べさせたわ」
「・・俺も行っていい? ・・一人じゃつまんない」
10年引き籠っていた三男の王都行き宣言に、全員が目を見開いて注目した。
「?」(なんで見られてる?)
「え、ええ勿論みんなで行きましょう。
イライジャとアレクシスがオロオロするとこを見逃すなんて勿体なさすぎますもの」
「ソフィー、びっくりしすぎて本音が漏れてるよ」
「と言うわけなんです」
王都のランドルフ子爵邸に帰って来たアメリアは、この半年間の報告をしていた。
目の前には
「つまり、これから王都でアメリア争奪戦が行われると言うことか?」
ヘンリーの言い方にアメリアが笑い出した。
「お父様、大袈裟ですわ。それにお二人とも王都に来られたら、直ぐに正気に戻りますから。
王都には、素敵な御令嬢がたくさんいらっしゃるでしょう?
パーティーに参加されたら、直ぐに目が覚めますわ」
「アメリアはどうするの?」
「直ぐにキャンベル公爵家にご挨拶に伺って、紹介状をお願いして参ります。
なるべく早くお仕事を見つけようと思いますの。
それから、ここ最近作ったレースをお母様にお願いしても宜しいですか?」
レイラが溜息をついた。
「やっぱり向こうでも作ってたのね?」
「はい、暇な時間が多くて。
一番大きな作品はソフィー様に御礼として差し上げましたけど、まだかなりありますの」
「仕事させないでって、ロージーに頼んでおいたのに」
「ロージーには何度も叱られましたわ。でも本当に暇だったんですもの」
眉間に皺を寄せて考え込んでいたヘンリーが、
「アメリアは公爵家のお二方が気に入らないと言うことかい?」
「そう言うわけでは。もうこの歳ですから、将来は一人でのんびり暮らしたいと思っていますの」
「それは難しいかもしれないな。
ギルバートがあれこれ言って来てるんだよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます