2.2 ダンジョンまで

1話 敵国の王子


 突然目の前に来たことにルビアと俺は驚く。


「お初にお目にかかります。クーエック王国第一王子、ラードン・クーエックと申します」


 え? クーエック王国って。もしかして......。そう思ったが、一応はルビアと俺はラードンさんに挨拶をする。


「こちらこそお初にお目にかかります。ローリライ王国第二王女、ルビア・ローリライです」


「ルビア様の護衛兼、ローリライ王国男爵家、ノア・アリアブルです。よろしくお願いいたします」


 お互い挨拶を済ませるとラードンさんが言う。


「お二人はリックブルド王国をご存じですか?」


「......」


 俺とルビアは顔を見合わせる。ルビアはどんな反応をしていいのかわからず、俺もなんて言おうか迷っていた。だけどルビアがすぐさま答える。


「存じ上げないです。誠に申し訳ございません」


 するとラードンが不気味な笑みをしながら


「そうですか! では一つアドバイスをしておきます。あの国は人族あるまじき国です。現在は滅んでいますが、もし生き残りでもいたら危ないことでしょう」


 今俺たちにこういうってことは。こいつ、もしかして気付いているのか?


「ご忠告感謝します」


「はい。もし生き残りがいたら教えていただきたいです。写真などは後日お渡ししますね」


「分かりました」


 話が終わると、ラードンがこの場を去り、自分の席に戻って行った。俺とルビアは一旦教室を出ようとした時、ミアとかち合う。


「あれ? 二人ともどうしたの?」


「あぁ......。ちょっとな」


 俺がごまかすして言うが、ルビアがミアの手を引いて言う。


「ミアもちょっと来て!」


「え? あ、うん」


 俺とルビア、ミアは教室を出て、人がいない場所まで歩き始める。ミアは何が何だかわからないような顔をしていたが、何も聞かずに歩いてくれていた。


(ミアを連れてきたってことはルビアはもしかして)


 そして校舎裏に来る。ここはめったに人が居ない場所で有名だ。周りを見渡すが案の定人が居ない。ここなら最適だろうとルビアは考えたのか話し始めた。


「ミア。この話は誰にも言ってほしくない。でもミアだから話すね?」


「え、えぇ。でもいいの? 誰にも言ってほしくないことを本当に話して?」


 ミアは俺の方を見始めてきた。


「ルビアが決めたことだから俺はいいと思ってる。それにミアは信用に値する人だと思っているしな」


「ノアが言う通り、私もミアは信用に値する人だと思う。でも聞きたくないなら聞かなくてもいいよ?」


「聞くわ」


 するとミアは先程とは違い、真剣な顔になっていた。


 そしてミアにラッドくんとミーシェさん。そしてリックブルド王国の話を始めた。 

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