第43話 ミッション開始
集会から1ヶ月後。
「さて、全員集まったな」
ベルの指示により、ローズ、シズ、暁、タスク、九郎が集められた。
「全員を集めたのは他でもない、ミッションについてだ」
「「「ミッション?」」」
「そういえばお前たちには言ってなかったな」
シズ、暁、タスクは一月前の集会には参加しておらず、集会の内容は知らない。
「この五人でこの馬鹿げた戦争を終わらせる」
「出来るんですか?」
「手はある」
「その手とは?」
「まずこの戦争は影でムーン、リングの双方のトップが仕組んでいた事が分かった」
『え…』
「何らかの目的があって戦争を起こしたのだと、Actorの諜報班によって分かった」
「理由はどうでもいい、そんなのは後だ」
「そうですね、それではミッションの内容を教える」
ベルはリモコンを手に持つと壁に映像を映した。
「まずこれがリングの拠点だ」
リングは一つの都市をまるまる拠点にしていた。
「大きいな」
「ああ、拠点を潰すのはまず不可能だ」
「続いて、ムーン」
拠点の情報を映すが…
「おいおい…いくらなんでも」
「ああ、大きすぎる」
ムーンの拠点はリングの比ではなかった。
「日本列島の半分…」
「馬鹿げてる」
「ああ、その通りだ」
「だが、まだ手はある」
「その手…とは」
「電磁パルス攻撃だ」
電磁パルス攻撃…電子機器にダメージを与え、半導体や、電気回路などに損傷を与えたり、一時的な誤作動を起こさせる攻撃である。
「しかし、それをすれば一般人にも被害が…」
「それは問題ない、既に避難は済ましている」
「それでも…」
それまで黙っていた暁が不安の声を漏らす。
「大丈夫だ、人間に危害を与えないように調整はしてある」
「電磁パルス攻撃についてはこちらで操作する、シズと暁、タスクはリングの拠点で足止めを頼む」
「ローズは?」
「ローズと九郎さんは別行動だ」
「そういうわけだ、頼むぜ、シズ」
「…無茶しないでね」
「ああ、そのつもりだ」
「さて、三人は先に準備をしてくれ」
「「「了解」」」
「さて、ローズ、君には九郎さんと共に『衛星兵器』の破壊を頼みたい」
「『衛星兵器』?」
「直径30メートルの特殊弾を宇宙空間から放つ衛星兵器だ、着弾地点はもれなく大爆発と共に焼け野原だ、しかも範囲も大きすぎる」
「それを…破壊?」
「まぁ、無理だろうな」
「なら何故!」
「普通なら…な」
「…と、言うと?」
「お前のコンパクトレールガンと、俺のコンパクトレールガンを連結させて放つ、すると時速は60000km(マッハ50)に到達する」
「それなら…確かに大気圏を抜けて攻撃出来るが…衝撃波はどうするんだ?」
「言っただろう、事前に避難は済ませてあると」
「だが…」
「野放しにして滅ぶより、最小限の被害で抑えるのが最善の策だ」
「ま、そういうわけだ、ローズは九郎さんのサポートを頼む」
「…分かったよ…分かったよ!やるよ!ベル!」
「よし!その意気だ!」
バシバシと背中を叩き活を入れるベル。
「無理だけはするなよ」
「ああ、任せてくれ」
「任せたぜ!『二代目ブルーローズ』」
「「『二代目』?」」
「おう、血縁もあるが、お前は十分俺の跡を継ぐスペックはある」
「いやいや、まだじいちゃんほどでは」
「だから、今回のミッション次第で決まる、拒否権はないぜ?」
「あんまりだよ…」
「ははは!ま、どっちにしろミッションを成功させるのは決定事項だ!」
「了解…」
「さて、そろそろだな…ミッション開始!」
「「了解!!」」
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