第10話
大鷲座の年、7の月 闇の日
悪い予想ってのは当たるみたいだ。
ここ数日の間に、魔化した狼の群れが森に入り込んだらしい。
狩人を中心として捜索隊を編成し、早馬をルーンセラへ報告の為に走らせていた。
僕には、暫く狩りは控えるように、とのお達しが来た。
まぁ、それはそれで、色々と試してみたい事を試す期間に充てるのだけど。
とりあえず手近なところからやってみた。
手近な紙を折って、箱を作る。
紙が良いのか意外と丈夫だ。
外に持ち出して、水を入れてみる。
零れない、良い感じだ。
適当に石を集めて竈を作り、中に詰めた枯れ枝に火をつける。
魔法は便利だ。
木の枝を組み合わせて足場を作り、そこに水を入れた紙の箱を置く。
庭師たちが何をやってるんだと言わんばかりにこっちを見てくる。
紙の鍋が火にかけられた。
燃えない。
一度火の上から取り、中の水を捨てて同じ場所に置いてみた。
燃えた。
うん、間違いない。
少なくとも、僕の中の知識は「嘘は言っていない」という事だ
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