異世界に転生しちゃった俺の日記

近衛真魚

第1話 思い……出した……!

大鷲座の年 6の月 土の日


どうしよう。


思い出しちゃったのでとりあえず書いておく。


僕の名はエミリオ・クレイヴォルフ

年齢 12

フィリネルア島クレウヴォルフ領、クレイヴォルフ家の跡取り息子


うん、間違いない。

当主様、母様にも確認した、家系図やなにかも調べた。

間違いない。


これは事実だ。

それを理解した上で、次の別の事実も書いておく


2021年 6月23日 水曜日


俺の名前は 水上 弘

年齢 12

市立大舞螺小6年


どうしよう……俺……


多分転生しちまった。


事の始まりは、部屋で聖書を読んでいる時だった。

神が泥から自らの御姿に似せて人を御創りになられた。

その記述に「あれ?」と思った。


人って、猿から進化したんだよな?と


一瞬、自分が何を考えたのか判らなかった。

それと一緒に、知らないはずの知識が頭の中に入ってきた。


人は数えるのも嫌になる程の大昔、樹上での争いに負けて地上に降りた猿から枝分かれし……。

二足歩行や、道具を使う知恵を手に入れ、進化を遂げたのだ。


僕は自分が何を考えたのか判らなかった。

俺はなんで俺がこんな事を判らないのか判らなかった。


そして、それが事実だと判った時……。


俺は、この世界が違う事に気づいた。


僕の12年は、俺の12年と混ざり合って、どちらにも自由にアクセスできるようになった。


人格?というものはどうやら僕の方に統合されたらしい。

正直助かる、今更1から常識や何かを覚えなおしなんてメンドクサイ事この上もない。


ともあれ、それが起きたのが数日前。

まさか、日常生活が辛くなるとは思わなかった。

ガス、水道、電気がない、スマホも当然ある訳がない、日常的に使っていたインフラ設備が一切なくなってしまった。

それがまさか、こんなに不便だとは。

特に夜の読書や書き物が辛い、よくもまぁ僕は蝋燭の灯なんかで本を読むことが今までできていたものだ。


スイッチ一つで昼間の様に煌々と明かりがつき、蛇口を捻れば水が出て、楽に生活ができる……。

それを出来るようにするには、きっと僕は、俺の知識を柔軟に、活用していかなければダメだ。


しかし、どうしたら良いんだろう。

この世界はいわいるゲーム的な世界という奴で、魔法がある。

技術レベルは大航海時代程度。


まったくもって、何をどうしたら良いか判らない。


……とりあえず、明日から、できそうな事をやっていこう

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る