男か女かは重要か? 考える俺
あー、えっと?
「おはようございます。樹君」
「あ、うん、おはよう、マキちゃん」
何だか、怒ってる? いや、笑ってる? どっちだ。わからない!! 笑顔なんだけど、こう後ろに見えるオーラというか(いや、見えないけど)何かがすごいプレッシャーをかけてくる!
「今日は一緒に途中までですが登校しましょう」
「あれ? マリヤは?」
今日は一緒に登校しなくていいのかな?
朝一緒に行けなかったのは、皆でまとまって動いた方がいいだろうということでマリヤ、マサユキ、マキちゃんの三人で一緒に行動していたんだそうだ。ナミもついでに。
マキちゃんが歩き出す。俺はその後を急いでついていく。
「昨日の夜、ストーカーが逮捕されました。だから今日は私はこっちにきちゃいました」
「え!?」
え、ちょ、なんだその急展開。
マキちゃんはふふっと口から小さく息を吐いた。
「大阪の家の前で、訳がわからないことを叫んでる人が出たそうです。マリヤのお父さんが解決したぞーって電話してきました。その人、いつも手紙も入れてきてて、同じものを持ってたって」
「そ、そうなんだ」
「たぶん、昨日のアレで信じたくなかったんでしょうね」
「は、ははは」
昨日のアレ、まさか犯人が発狂するなんて思ってなかった。そこまで、想われてたのかとちょっとたじろいでしまう。
「でも、けっこう危なかったんですからね」
マキちゃんは口を曲げていた。あ、怒ってる。
「ごめん、そこまでなるなんて考えてなかった。ただ、マリヤ
今考えれば浅はか過ぎたかもしれない。その日にまさか発狂して突撃してくるなんて……。
「今回の件は前から相談してて上手く警察が動いてくれたから良かったですけど、何かする時は一人で決めないで下さい」
「ごめん」
俺は本気でしょげた。気をつけないとダメだって、皆で決めたばかりだったのに勝手に走ってしまって。
「まあ、でもカッコよかったですよ」
「え、ホント?」
マキちゃんはちらりとこちらを見る。まだ目は怒ってる。
「でもね、あれだと私の真樹がびーえるな疑惑やら、中身が実は? とか出てきちゃうじゃないですか」
びーえる? ……しまったぁぁぁぁぁ!! そっちは全然考えてなかったぁぁ!
マキちゃんは、はぁーとため息をつく。ちょっと悩ましげ……って違う違う。
「別に、いいですけど」
「え?」
「樹君と一緒にこうやって過ごせるなら、他人からどう思われたってかまいません」
「ま、マキちゃぁぁん」
やっぱり、俺の彼女はカッコいい。かっこよすぎる。
「でも、反省はしてください」
します! します! いくらでもします。
俺は何度も何度も頷く。
「他にも犯人がいるかもしれないから警戒を全部とくわけじゃないですが」
トンッと跳ねるようにとび、マキちゃんが俺の目の前に立った。
「これからも一緒に遊びましょう」
「もちろん!!」
俺は大きく頷いた。
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