第14話 図書室でエッチな気分になるな!

 放課後、今日は図書室で勉強をする事になった。


 テストまで残りわずかとなり、勉強も大詰めだ。


 昨日の気分転換のおかげでやる気は満ち溢れている。


 いつもやったら勉強なんてあんまりせーへんかったのに、今回は結構してるなー。勉強やり始めたとしても全然集中力ともたへんのに。茉桜のおかげかな?


 ガラガラとドアを開けて図書室に入る。思っていたより人は少なくチラホラと一人で勉強をしている生徒がいるくらいだ。


「あそこに座って勉強しましょうか」


「そやな」


 出入り口から一番離れている隅っこの席に隣同士で座る。この方が教えやすいらしい。


「ウチは英語のテスト勉強するわ」


「分からない事があれば何でも聞いてね」


「うん、ありがとうな」


 とりあえず単語覚えていくしかないよな。


 先生が配ってくれたテスト対策のプリントを取り出して単語を見る。テストには単語の意味を答えなさいとかこの意味の英単語は何か、という問題がある。


 こんだけ覚えといたら十点くらいは取れるやろ。後はなんか発音とかもあったなー。それも気合で解いて五点くらいか?よしまず十五点は取れるなー。


 ジーッと茉桜が見つめてきている。


「どしたん?」


「こうゆう場所って興奮しない?」と耳元で囁き足に手を置いてきた。


「な、何考えてんねん」


「静かにしないとバレるわよ?」


「...勉強せなアカンやん」


「少しだけ、ね?」


 うぅ、何で茉桜はこんなとこで興奮してんねん。ジーッと見てきてるなって思ったら、エッチな事考えてたんか。


 背中に手を回されシャツの上から器用にブラのホックを外してきた。


 そのまま手を前に持ってきてブラをずらしてシャツの上から胸を触り始める。


「...っ!ちょっとっ、茉桜」


 茉桜は人差し指を口に持っていきシーっとジェスチャーをした。


 アカン、完全にスイッチ入ってしまってるやん。今図書室は人が少ないけど、見られたらどうすんねん。


 めっちゃ恥ずかしいわ。


「叶彩は勉強を続けてていいわよ?」


「こんなんっ、集中でき、ひんわっ」


「ふふ」


 トタトタと小さく足音が聞こえる、誰かがこっちの方に来ている。


 茉桜の手はギリギリまで胸を触っていて、人が来たと思ったら手が離れた。


 歩いて来た生徒が本を探しながらゆっくり通り過ぎて行った。


 ドキドキするわ。


「ドキドキしたわね」


「バレてへんかな?」


「どうかしら」


 その後も胸を触り続けられ、ほとんど英語の勉強が出来なかった。


 茉桜を前に歩かせて、腕を組みながらトイレに向かう。そこで服を整えて学校を出た。


 帰り際に茉桜が作ったテスト対策のノートを渡された。


 茉桜が言うには英語のテストに出る長文とかは授業で習った長文がちょっと変えられて出るだけらしい。このノートをやっておけばそこそこ点が取れるだろうとの事だった。


 茉桜にありがとうと言いながら抱きしめてから家に帰った。


 テストまでの間は茉桜に貰ったノートを解き、勉強をした。



 テスト当日。


 今までにないくらいにテスト勉強をしたから自信はある。


「じゃ、テスト頑張ってね」


「ありがとうな、茉桜も頑張れ」


 この二週間の成果を見せるときが来た。今までほとんど勉強をしていない事を差し引いても全ての教科に手応えを感じた。手応えを感じたと言っても赤点は回避できる程度だ。


 全てのテストが終わり、テスト返しが始まる。


 ドキドキしながらテストを受けとっていく。


 テストを全て受けとってから茉桜の部屋で一斉に見せようという話になっていたので、朱音と紫織も誘って学校を出る。


 朱音と紫織はいつも通りの点数、特別良いと言うわけでもなく、悪いわけでもない。


「じゃ〜叶彩の番ね」


「いつもより勉強してたみたいだから、たぶん大丈夫だと思うけど、楽しみだね」


「ふっふっふ」


 じゃーんと言いながら全てのテストを机に広げる。


「おお!」


「すごいじゃん〜」


「ふふ、おめでとう叶彩」


「ありがとうな!」


 結果は全てのテストを赤点回避している。


 中でも数学と英語はかなり点数がいい。


「苦手な数学と英語が一番点数高いんだね」


「ビックリだよ〜。いっぱい勉強したんだね〜」


「茉桜のおかげやねんけどな」


「何か特別な事をしたの?」


「ふふ、どうかしら」


「何もしてへんし!」


「あやし〜」


「あはは、仲良いね」


 数学の時のお願いといい、英語の時のあのエッチな感じとか、その日にした勉強はめっちゃ頭に入ってたわ。何でか知らんけど。


 エッチな勉強方法とかあんのかな?


 まあ、とにかく茉桜のおかげでいい点数取れたんやし素直に感謝せんとアカンな。


 手を伸ばして茉桜の頭を撫でながら「ありがとうな」と言う。


 いつもなら涼しい顔をしてそうな茉桜だが、この時はみんなの前だから照れたのか少し顔が赤くなっていた。


 その後みんなでテストお疲れ様会という事でお菓子を食べたりジュースを飲んでゲームをしたりお喋りした。


 夏休みの予定も立てて。


 いよいよ夏休みが始まる。

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