第442話 すべてを飲み込む変人爆発
「こ……恋する乙女が無敵のパワーを得られることは、わ、ワタクシたちも証明してますしね……」
「そ、そ、そうね。そ、それに、まあ、好きすぎて、恋した相手を襲っちゃうのも、ま、まあ、気持ちはわからなくないわね」
「私もイザという時に、ラガイアを襲うことも辞さないので、問題ないと判断する」
いや、フォルナ、アルーシャ、それ、全然フォローになってねえし。
てか、キロロ、お前は何をサラッと言ってやがる?
「おい、アルテア」
「ん?」
「例えばだ、娘の初めてを奪った男は許さんとか、娘の男よ欲しければ私を倒してみなさいみたいなイベントは今後考えられるか? その場合、俺は全力で逃げるんだが」
「はあ? あんた、ヤリ逃げとか、チョーありえねえし!」
「お前の親の方がチョーありえねえし!」
そして、同時に思ったことがある。これだけの奇人変人最強の四獅天亜人だが……
「なあ、俺たちの仲間になったのが、カー君で本当に良かったな」
「「「「「「「間違いない」」」」」」」
そこは、全員一致で頷いていた。
さらに、もう一人の奇人変人四獅天亜人も動く。
「やれやれなのだ。よくも、わらわのカイザーとの情事を邪魔してくれたのう、デカブツ! デカければ良いというものではないのだ! お前の陰茎など、噛みちぎってやるのだ!」
九つの尻尾を生やしたロリ狐娘が飛ぶ。
その姿に、後方で控えていた兵たちから声が上がった。
「お、お、おおおおおおお! あ、あの方は!」
「エロスヴィッチさまあああああああああ!」
「うおおおおおお、やはり、やはり生きておられた!」
「よくぞご無事でっ!」
「ふぐっ、ぐす、うぐっ、うおお、我らも続けえ! 飛び道具で援護するんだァ!」
歓喜の声と共に、天地を震わすほどの士気を高潮させた軍が居た。
それは、エロスヴィッチ軍の残党たちだ。
すると……
「えへ♪ お兄ちゃん達~~~~~~、元気な~のだ?」
おい? エロスヴィッチに何があった? 急に、今までのアバズレビッチの顔から、何か目を輝かせた純真無垢な子供のニコニコ顔で笑っていた。
だが、俺たちが唖然としているのに対し、エロスヴィッチ軍たちの様子が更に変化した。
「なっ! あ、あ、あのお顔は!」
「どういうことだ! かつて、カイザー大将軍が戦死されたと報を受けて以来、決して笑わぬ氷の幼将軍とまで言われたエロスヴィッチ様が……」
「笑っておられる! いや、そうか!」
「そうだ、カイザー大将軍が生きておられたから! エロスヴィッチ様が、本来の姿を取り戻されたのだ!」
「待てよ! かつてのエロスヴィッチ様が復活されたということは、まさか!」
「まさか、あの、あの七年前より途絶えた、伝説の『ご褒美』も復活するのでは!」
どうした? エロスヴィッチがあんなふざけた態度を取るとどうなるんだ?
「お兄ちゃんたち~、わらわは元気なのだ~。でも~、怖い化物がわらわに襲いかかるのだ~、助けて欲しいのだ~!」
「「「「「「「「「「―――――――――ッ!」」」」」」」」」」
「もし~、わらわのために一番頑張ってくれたお兄ちゃんには~……えい♥」
「「「「「「「「「「―――――――――ッ!」」」」」」」」」」
エロスヴィッチが白スク水みたいな服の三角地帯を食い込ませ、ぷにっとした柔らかそうな小さな肌色の谷を見せて………
「息がかかりそうなぐらい間近で見せてあげるのだ。エッチなお兄ちゃん達は、○○ニーすることも許可するのだ」
「「「「「「「「「「―――――――――ッ!」」」」」」」」」」
「それどころか~、一番カッコイイお兄ちゃんには~、わらわがこの人差し指で、お兄ちゃんの先っぽを、ツンツンってしてあげるかもしれないのだ~♪」
その瞬間、股間を大きく膨らませた兵士たちが鬼神のごとき形相で駆けだした。
「御意いいいいいいいいいいいいいいい! 我らが、信念(ロリビッチ様のプニプニ三角地帯を間近で眺めてハアハアしながら、あわよくばあの小さな指でツンツンしてもらう)のためにいいいいいいいいいい!」
その、爆発力、塊となった集団の勢いは、この瞬間だけはシンセン組を遥かに凌駕したといってもいい。
エロスヴィッチの仇討ちとして神族大陸へ乗り込んでカラクリモンスターたちと戦っていた時とは比べ物にならねえ。
「ガハハハ、相変わらず、あんなチビババア相手にご苦労だな、あの変態どもは」
チーちゃんが、他人のことを変態と評しやがった。
「って、チーちゃんも七大魔王なのに、向こうに行かなくて良かったのか?」
「ああん? ふざけんな、どうして俺様があの変人軍団と一緒に戦うんだよ! 俺様が向こうに行ったら、誰が母体を守るんだよ!」
正直、誰もがツッコミ入れたかったが、そこはグッと堪えて、チーちゃんの言葉に耳を傾けた。
「んでだ、あのエロスヴィッチ軍、十年ぐらい前までは、亜人の軍の中でも最強を誇った。特に、エロスヴィッチがご褒美を提示したときの爆発力は、多くの魔王国軍も恐れたほどだ。まあ、蓋を開ければ、ただの変態どもだがな」
その時、俺は亜人大陸出身であるムサシとアルテアとユズリハに振り向いていた。
「おい、亜人大陸にはもっとマシな奴はいないのか? あの大陸は、この世の奇人変人を一箇所にまとめた大陸なのか?」
「殿ォそれはヒドイでござる~!」
「はあ? あたし、変人じゃねえし!」
「変じゃない。殺すぞ、婿」
いや、変だよ。変なのは間違いない。だって、あのマッキーが絶句してるもん。さっきまで、ことあるごとに軽口をスピーカーから出していたマッキーが。
そして……
「ぐわはははははは。盛り上がってきたのう~。キシン、それにジャックも、良いコンビじゃ」
「なはははははは、ワイらも負けてられんな、オヤジ、そしてキシン!」
「イエ~ス! レッツ・パーティーッ!」
四獅天亜人最強のイーサム。そして、キシン&ジャックコンビという最強布陣も飛んだ。
イーサムは世界でも桁外れの、気なのか魔力なのか分からぬ強大なエネルギーを拳に一点集中。
並ぶキシンは、ジャックとオーラを一つにし、鬼竜という前代未聞の怪物の力を纏い、同時に突き進む。
「いくぞい! ミヤモトケンドー・天空夜光飛天皇龍斬魔剣!」
「オーガ・ドラグーン・ロックンロール・ビッグバン・ファンタジー!」
正に、史上最強ともいうべきドリームチームの怒涛の攻撃に、ゴッドジラアは飲み込まれた。
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