第二十六章 天界と冥界の使者
第二十六章
ハルシャ王子とルハーニはニルマダの
歩き始めてからずいぶん経つのに、ハルシャ王子とルハーニは一言も口を利いていなかった。そんな二人をクールマとシェーシャは心配そうにルハーニのリュックの中から見守っていた。
「何か聞こえるか?」
クールマが言った。
「何も聞こえない。」
シェーシャが答えた。
「何で二人ともしゃべらんのじゃ?」
「二人とも人見知りする
「まるで
「しっ!その言葉を口に出すな。ルハーニが思い出すではないか。」
「ああ、そうじゃった、そうじゃった。」
「まったく、これだから年よりは嫌いだ。」
シェーシャは何気なくそう言った。
「何じゃと!」
クールマが聞き捨てならないというように
「
シェーシャが
「
クールマは言い返した。
「ああ。だが千五百年も生きているクールマには負ける。何たって私の五倍は長く生きているのだから。おそらくそんなに長生きしたせいで記憶力は私の五分の一になってしまのだろう。すべては年のせい。仕方ない。さっきの
シェーシャは
「言わせておけば!」
クールマは怒りのあまりプルプル体が
「
クールマが
「何だと!?」
シェーシャが
「お前はニョロニョロ蛇じゃ!」
クールマがまた言った。
「よくも私を
シェーシャの声は怒りで上ずっていた。
「本当のことを言ったまでじゃ!」
売り言葉に買い言葉だった。
「私が蛇の姿をしているのは絶対に何かの
「じゃが、今はニョロニョロの
クールマが再び言った。
「私が言いたいのはもともと
シェーシャはクールマを
「わしとて、元々このような姿だったわけではない。元々は太古の昔に
クールマは
「やはり
シェーシャが
二匹のリュックの中での会話はハルシャ王子とルハーニに
「二匹がさっきから
ハルシャ王子がルハーニに
「クールマとシェーシャは神々の
ルハーニは
「クールマは天界の神々の
あまりにも
「それ本当か?」
ハルシャ王子が
「うん。」
ルハーニは短く返事をした。
「何で神々の使者がお前のところにいるんだ?」
ハルシャ王子は当然誰でも
「二匹がサンガムで
ルハーニは神々の使者との出会いにふさわしくない答えを返してきた。ハルシャ王子は確かニルマダの
「二匹ともちょうど同じ時に地上へ送られてきたんだ。
「へえ。」
もしかしたらここは自分を笑わそうとして言った笑い話で、笑うべきことかも知れないと思いながらもハルシャ王子は
「それで、お前は?
ハルシャ王子は
「おばちゃんが生きていた頃は毎日
「そうか。」
ハルシャ王子はニルマダが、マルラーリーばあさんが死んで孫のルハーニが
「君は?」
突然
「僕は王子だ。王子はいつも勉強するものなんだ。勉強は
ハルシャ王子はそう言った後でラーケーシュのことを思い出した。果たしてラーケーシュはまだ生きているだろうか。ハルシャ王子は暗い気持ちになった。
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