アイドルな義妹と女優な幼馴染 どちらか選べなんて無理だろう!

mimc

プロローグ 





 夏が終わり、夜も少しは涼しくなってきた。


 俺が今いる都会のすぐ近くに位置するこの公園は昼間でも閑散としているが、夜になるともはや人などはおらず、風の音がよく聞こえるほど静かだ。


 俺こと あおい 俊介しゅんすけは、そんな涼しい夜の公園に二人の女性から呼び出されていた。



 綺麗な黒髪をポニーテールに結び、

 ぶつけでもしたら折れそうなほど細い手足、

 横を通りすぎたら誰もが二度見するような一般人離れした整った顔をしている。


 名前を あおい 舞香まいか


 普段は斉藤さいとう 舞香まいか として

 人気絶頂のアイドルグループ『Amourアモール』の不動のセンターであり、恋人にしたいアイドル第一位などの経歴もあるが

 実は、俺のだ。



 そして、舞香とは対照的な雪のように綺麗な銀色の髪に同じく細い手足、小さい顔、そして俺と同じくらい高い身長を持ち、どこかおったりとしてそうな温和な雰囲気を醸し出す女性。


 名前を 上田うえだ 絵梨花えりか 


 こちらも普段は上坂うえさか 絵里えりの名で、

 今最も勢いのある女優としてCM、ドラマ、舞台などでひっきりなしに活躍しており、恋人にしたい女優第1位に輝くなどの経歴を残しているが、今住んでいるマンションの隣人であり、俺のだ。



「ねぇ、俊介」


「俊くん」


「な、なんだよ……」


「「私と付き合って(よ)!」」


「え? えええええ!?!?」


 まさしく青天の霹靂。


 閑散とした空間に響き渡る声とともに、俺の高校生活の歯車がゆっくりと

動き出した瞬間だった———



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る