車椅子のスポーツ

 パラリンピックで見る、競技用の車椅子……。


 あれ見ると、私の胸が滅茶苦茶高鳴る……(トクゥン)




 というのもですね。私の母は、私が幼い頃はボランティア活動をしていまして。

(私が大きくなるにつれて、柔軟剤の匂いとかでボランティア活動が出来なくなったのですが、当時は頭痛や咳などの体調不良を訴えていても、その原因がよくわからず活動してました)

 その母のボランティア活動のマスコットとして、小さい頃は人権フェスタなるものに頻繁に通っていたのです。


 リボンマークというのをご存知でしょうか。ただしくは「アウェアネスリボン(Awareness ribbon)」らしいのですが。

 例えばレッドリボン。これはAIDS/HIVに感染した人への支援や理解を表したもの。

 今から40年ほど前、血友病の薬として使われていた注射が、薬害AIDSを引き起こすこととなりました。

 血友病の患者は、怪我をした時に血が固まらず、そのまま出血が続いてしまうのです。そのため注射で直接取り入れて血液を凝固する方法をとっていました。

 ところがどっこい、加熱処理をせずウイルスの不活性化を行わなかった血液凝固因子製剤(非加熱製剤)を治療に使用していたのです。うがぁ!


 明らかに被害者であるにも関わらず、当時のAIDS患者へには、「触ったらうつる」という、あまりに惨すぎる差別の目が向けられました。

 以前mRNAワクチンで話した通り、AIDS/HIVはレトロウイルスと言って、RNAからDNAを作る『逆転写』を行います。そうして『自分、体内の細胞っす。安全っす』という顔をして免疫細胞の目をかいくぐり、宿主の免疫細胞を壊してしまうのです。

 AIDSの前段階(原因)であるHIVは、『ヒト免疫不全ウイルス』と呼ばれます。免疫不全を起こすと、簡単に沢山の病気を併発させてしまいます。とても恐ろしい病気です。


 しかしこのウイルスは、非常に弱いウイルスで、唾液では移りません(飛沫感染はない)。移るとしたら、性行為か、血液か、母子感染という、感染経路が非常に限られています。


(性行為の場合はコンドームをつければ感染を防げます。妊娠中の感染を避けるのは難しいですが、妊娠中に感染しなかった場合は、帝王切開や、母乳を与えなければ子に感染しないと言われています。

 ただしコンドームについては『ただしい方法で』が枕詞につく!)。


 また、HIVとしての潜伏期間が長いため(5年から10年ぐらい無症状だったりする)、その間に治療を行えばAIDS発症は抑えられます。

 HIVもAIDSも完治はいまだに難しい病気ではありますが、悪化させないことは出来るのです。

 しかし当時、感染力が弱いとわかっていたはずなのに、AIDS患者への偏見は厳しいを通り越して惨いものでした。

 新型コロナウイルスの差別とか聞くと、この薬害AIDS事件を思い出すよ……。な゛ん゛で被害者を゛叩ぐん゛じゃよ゛……。


 なお、筆者はAIDSに関しては色々うろ覚えなので(うおい)、御手数ですが正確な知識を得たい人は各自で検索かけてみてください。

 筆者は医療に関しては素人です。触り程度に思ってください。


 話が長くなった。

 他にも、リボンの色によって表すものが違います。

 ピンクリボンは「乳がん患者への支援・理解」を示すもの。オレンジリボンは「子どもの虐待防止の啓発」。


 そしてイエローリボン🎗は、「障害を持つ人の自立と社会参加」。

 ……Simejiさん、なんでこれだけ絵文字変換あったの??


 まあそんな感じで。

 人権フェスタにも、イエローリボンの人達がやって来ました。

 その時に出会ったのが、「車椅子バスケ体験コーナー」です。

 普通の車椅子と、競技用の車椅子に乗れる体験コーナーがありました。

 こんな滅多にない体験コーナー、何故か誰も来なくてスッカラカンだったので、わたしはメッチャ居座ったのですよ。


 普通の車椅子って、車輪を動かすだけでもすごく重くてですね。

 その後競技用の車椅子に乗ると、それはそれは軽かった! スーッて行っちゃうの!


 しかし、右に回ったり左に回ったりするのがとても難しかった!泣


 スキーやったことある人なら多分わかると思う。あんな感じに。車輪が「八」の字になっているから、すごい勢いでまっすぐ進んじゃうの……曲がろうとすると、すごく腕が持っていかれるの……。


 そんな状態で、床に落ちてるバスケットボールを拾いに行くのだけでも大変なのに、片手でバスケでドリブルしながら、片手で車椅子の車輪操作してるんですよ。

 腕の筋肉がすごいわけだ! そして身体を動かすために、頭をめっちゃ使う!

 身体って、そう簡単に自分の意思で動かせる訳では無いことがよくわかった……。いやスポーツそもそも得意じゃないんだけど……。


 インストラクターの車椅子のお兄ちゃんは、こう、ボランティア活動で説明する人にしちゃ、ニコニコしてる人じゃなかったんですけど、それはもう、面倒見が良い人でして。

 ずーっと居座るチビガキに、ずーっと付き合ってバスケしてくれたんですよねぇ。優しいお兄さんでありました。

 そしてシュートすごかった。


 競技用車椅子に乗った人と話したのは、あれっきり。

 でも私にとっては、その後のパラリンピックをチェックするには十分すぎるぐらいの経験でした。

 あれを操作するのが、どれだけ大変か。それがわかるから、すごさがわかります。

 そして何より、すごく楽しかったのを思い出して、私はニンマリと笑ってしまうのです。

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