幸運の星の名の元に
のの(まゆたん@病持ちで返信等おくれます
祈りを捧げて・・
100年以上前
アフリカ・今のチュジニア近く
暑い南国の海の港の船に
少女の悲鳴それは嘆きの声
「いやぁー!マルコ!マルコ!」
船縁から身を乗り出し
少年の名前を泣き叫びながら呼ぶ
泣きじゃくる少女を神父を
抱きしめ、優しく背中をなぜる
「いつかマルコは
我々の元に戻る・・だからアンジェラ嘆くのはおやめ」
大きなその船は嘆く少女を乗せて・・故郷へ戻る
ベネフック(幸運の星)号 救われた者達・・。
海賊達に襲われ、生き延びた幸運な人々
海賊達に金を支払い故郷に戻れる幸運な人々
戻る事の出来ない人々
海賊に拐われ 売られて
奴隷となった人々
ターバンを巻き少年は
少女を乗せた船を見送る
マルコは黙って・・ただ
その船を見送る・・・。
「イヴァン」何度も呼ばれ
やっと それが自分の名前なのだと思い出す・・
マルコは イヴァンと名前を変えられて この地に残ったのだ。
黒い瞳の中年の男が
優しい懐かし気な眼差しで見つめてる「はい」と答えて 彼を見る。
売られた奴隷としては運は良かった
ガレー船で 鎖に繋がられ 船を漕ぐ必要もなく
農園や石切り場でムチ打たれながら働く事も
最前線で闘う奴隷兵士や
イエネッチエリの軍団に入れられる事もなく
優しい大商人に 亡き息子の身代わりとして 買われたのだから
少女を 天使のような彼女を無事に故郷に返したい
非道な者達に傷など付けられないように ただ その事を祈ってた・・
商人は彼の望みを叶えた。
そして それは彼女との別れ
彼女は故郷への船に乗り
少年は この暑い砂漠の地上に残された。
祈りの言葉を心の中で紡ぐ・・少女の幸せ・・
そして叶うなら 再び出会う事を・・
FIN
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