第6話
町中をあるいてみると高価な品物が置いてある店ばかりで僕の財力で買えそうなものはなかった。
途中、10000ギルの安くて出来のいい剣を買おうとしたがよく見ると1000万ギルの見間違えで両手が震えてしまった。
「こえーー。この街こわいよ。ほんと何処かいい店は…」
ん?
この古くさい武器屋なんて良さそうだな。ここならそこまで高くないだろう。そんなことを思いながらドアを開けるとドアについた小さな鐘がカランカランとなり奥から白髪の店主が出てきた。
「何をお探しで?」
「えっと100000ギル位の剣って置いてますか?」
「何に使うんで?」
「いやーあの闘技場に出ようかなと」
そう言うと店主は大笑いした。
「ハハハ。最高じゃな。ハッハッハッヒー。いやーおもしろいな。いやー10才くらい若返ったわい。」
ここまで笑われたのはたちの悪い落とし穴に引っかかって以来だ。当然落とし穴の作成者はユリスだ。そして落とし穴の中身は…まあうん思い出したくはない。
「いやーすまん。というよりもお主勘違いしておるな。」
「勘違いですか?」
「闘技場での戦いを見たことないんじゃないか?闘技場で使う剣はこういう剣ではない。」
店主がとりだしたのは普段よく見る普通の剣だった。
「闘技場で使うのはこういうのじゃ。」
店主が次に出したのはただの小さな丸いガラス玉だった。
「ガラス玉ですか?」
「ただのガラス玉ではない。これはのーまず価値で言えば1000万ギルは軽く超える。ほれ握りつぶしてみな。」
「1000万ギルを軽くえっ握りつぶすってえっお金ないですよ。」
僕は後で高額な料金を請求されるかと思い焦っていた。
「いいからさっさとつぶしてみろ。どうせ割れん。さっさとやれ。」
僕はやれと言われたので精一杯力を込めて握りつぶそうと思ったが少し力を入れただけで割れてしまった。
「ほらな。われはせんっん?おっお主手をひらけ。早く!」
つぶせとかひらけとかうるさい店主だ。そう思いながら手を開くと跡形もなく
ガラス玉は消えていた。
「おっお金は払いませんからね!」
とりあえず言っておこう。
「まさかのーわしが生きとる間にみれるとわな。まあ代金はそうじゃのタダでいいわい。ガラクタじゃしの。」
タダなんていい響きなんだ。
ふと胸をなで下ろしたが、ガラクタという言葉に引っ掛かった。
「ガラクタなんですか?」
店主は頭をかきながら話し出した。
「ん?まあ嘘は言っておらん。価値は1000万ギルはする。懐かしいのー若気の至りでロストテクノロジーが手に入ると思っての大金叩いて仕入れたのは今でも苦い思い出じゃい。」
全然ピンとこなかった。
「よくわからないんですが」
「話が長くなるから実際にやってみた方がええの」
店主はとことこと歩いていきなり切りつけてきた。
「うおっ」
というか何だこれは?
魔力の塊を剣状にした魔法?
「何ですかそれは?というか」
というか体がとてつもなく重くなった。
しばらくすると全く動けなくなり床に寝そべった。
「うごけんかの?人間誰しも魔力をもっておると勘違いしているが、実は自然界から供給されているんじゃ。まあ電線をイメージすればいい。」
「はい」
地べたに伏せたまましゃべるのも新鮮だな。
少し涙が出てきた。
「でその魔力の供給が急に止まると動けなくなる。その供給を断ち切る剣いや魔法じゃな。でのまああのガラス玉には誰でも使えるように魔法が封じられているんじゃ。われれば特に修行せんでも魔法が使える。」
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