レッスン13「ホーンラビット再び (1/3)」
そうして再び、舞台は西の森へ。
「ルールは昨日とほぼ同じ。3時間後の16時までに、より多くの
お師匠様と僕は同時にニヤリと笑い、
「「謝罪」」
「さね」「だね」
「なっ! 負け犬どもが偉そうに――」
「はい、よ~い始め!」
「吠え面かかせてやるからな!」
森の中へと消えていくエンゾたちパーティーを見届けて。
「さてクリス、何をすればいいか分かってるね?」
「はい、お師匠様」
「では始めよう。【赤き蛇・神の悪意サマエルが植えし葡萄の蔦・アダムの林檎――
真っ赤な魔法陣が空一面に広がり、1秒ほどで消える。
お師匠様が僕のまぶたに触れ、
「【
果たして、お師匠様の視界経由で、森のあちこちで青白く浮かび上がる数百匹のヒール・ホーンラビットの、その頭部に生えるツノの姿を捉える。
「詠唱は?」
「『獲物』さね」
「了解。【
だけど――
「はぁっ、はぁっ……【
表示されたウィンドウで最新の【収納】物を確認すると、
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ヒール・ホーンラビットのツノ × 349
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「あ、あははっ、やった、僕はやったぞ!!」
万感の思いが、エンゾたちを見返してやったぞという喜びが胸の奥からあふれてくる。
まだまだお師匠様
「あっ」
急に足腰から力が抜け、お師匠様に支えられる。
「まだまだ、お楽しみはこれからさね。【
恐らく限界近くまで消耗したであろう僕の魔力が、みるみるうちに回復していく感覚。
「いま、疲労を感じているだろう? ステータスを確認してみな」
「【ステータス・オープン】――あっ!?」
【
「よぉし、これで無生物以外――即ち、生きている相手を【収納】できるようになったさね」
「え、えぇぇ!? 生物の【収納】なんて、先王様が残した一級品のマジックバッグでだって無理なはずですけど!?」
「ところがどっこい、【
「だから誰ですか、『マスター』って……」
「んふふ、内緒さね。さぁ、行くよ――」
再びお師匠様の詠唱と、
「【
お師匠様経由の視界に移る349体のヒール・ホーンラビットを――
「【
■ ◆ ■ ◆
「んんん……――――っは!?」
飛び起きようとして、目の前に張り出した何かに頭をぶつけた。
「ったく……
その、お師匠様の一言で理解した。
僕はまた、昨日と同じようにお師匠様に膝枕されていて、お師匠様のバストに頭突きをかましてしまったわけだ。
「ご、ごごごごめんなさい!!」
急いで起き上がり、お師匠様から距離を取る。
ここはさっきと同じ森の入り口だ。
「あっ、ヒール・ホーンラビットは――【
「大丈夫さね。ちゃんと生きたまま【収納】できているはずだよ」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
生きたヒール・ホーンラビット × 349
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「お、おぉぉぉ……おおおおッ!!」
「おめでとう。これでお前さんは、【
「あぁ、あぁぁ……お、お師匠ざば、本当に、ほ”ん”と”う”に”、あ”り”が”と”う”ご”ざ”い”ま”す”ぅ”~~~~ッ!!」
「き、汚いよ! その鼻水をさっさと【収納】しな!」
【
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いつもお読み下さり、誠にありがとうございます!
どうか最後まで、お付き合い下さいますれば幸いです。
次回、数百本のヒール・ホーンラビットのツノを携えたクリスの、エンゾたちに対する要求とは!?
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