詩集X イフの世界

仲仁へび(旧:離久)

第1話 イチになりたい



「たとえ本物に利用されていると分かっていても、私は生まれ落ちたかった」



 私はゼロ

 イチになりたい


 ゼロのままでいるのは退屈で

 何も新しいものがないの


 だからイチになりたくて

 イチを探し続けている


 数字の世界をさまよって


 隅から隅まで目を凝らして

 それでもなんにも見つからない

 手がかり一つ 存在しない


 私はゼロのまま

 でも それでもイチになりたい


「私達は生き残らなければならない

 例えこの手を汚すことになっても

 それが褒められたことではないとしても」


――私達はもう一つの世界をつくりあげた


――可能性の世界


――私達とは別の道を歩んだ私達の世界


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