第2の事件
武田が自宅で首を吊って亡くなっているのが発見されたとの連絡を受けた佐々木刑事と葛西係長はすぐに武田の家へと向かった。佐々木刑事たち二人は規制線の前にいる所轄の警官に警察手帳を見せ、黄色いテープをくぐった。武田の自宅のドアを開けると、電話をしてきた捜査員を含めたくさんの捜査員がいた。もう二人が来た頃には初動捜査が始まっており、慌ただしい様子だった。二人が武田の家に入ってから数分で捜査の責任者となった。
捜査の主導権が移ってからほぼ間がなく葛西係長のもとに駆け寄ってくる人が居た。その人物は所轄の刑事であった。
「遺体の近くに遺書と大きく書かれた紙がありました。」
とその刑事が言うと遺書という紙を手渡してきた。葛西係長がその紙を受け取ると、佐々木刑事も近づいて行った。葛西係長が紙を開くとそこには黒い活字で書かれた文字が広がっていた。遺書と書かれたものは以下のものだった。
「今回白い白鳥ホールで亡くなった
内容からすればよくある犯人の遺書と見受けられたが、事件のこと以外触れていないという点が不自然さを感じさせた。佐々木刑事と葛西係長は自殺・他殺どちらの線も視野に入っていた。
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