違うぜ、番組!異世界の美少女戦士!

「シオカワの管理区域に謎の高エネルギー反応!」


まーたヒーローが街をぶっ壊し・・・と思ったらなんだか違う様子。

異空間ゲートとか言うどこの馬の骨か分からない謎エネルギーの歪みにより

別世界との行き来が可能となってしまっている様だ。


ただちに現地に戦闘員を派遣!住民の安全を確保しに・・・


「トォリャァッ!」


「ヒーッ!?」


吹き飛ばされるモブ戦闘員達。

軽快な蹴り技には似つかわしくない重い打撃!新たなるヒーローの登場か!?

しかし、この美少女戦士達、なんか道に迷ってるご様子だ。

謎エネルギーとも違う光のパワーの波動を検知!

こういう時もやっぱり怪人共済の営業マンがアーマードプロボックスで

街を疾走するゥ!出来れば市民の皆様のお車を左車線に寄せて頂いて

ヒーローのバイクがあったら千の風にしてくれるわぁ!


なんてダークネス係数高めで向かうと、怪人娘?いや、彼女達は

戦闘員の皆様と面が割れているので攻撃とかしないはず・・・


「えーと、あなた方は?」


「私達は、愛と!勇気と・・・ムググー」


アカーン!これは異世界からやって来た系の

劇場版ヒーロー現象だァッ!他所の世界は知らないけれども

版権に引っかかると色々と大事故・・・

この街が消し飛ぶほどの損害賠償をせねばならなかったりするのだ!

根拠は無いけどそんな気がするゥ!


「えーとですね。我々、この街の自治体でして・・・」


「まさか悪の組織なの!!?ご覚悟!」


確かにそれっぽい戦闘員ばかりですが、話せば分かる!

こっちの世界の自称ヒーロー達にはそれが足らんのです。


「まぁまぁ・・・かくかくしかじかでこの街は・・・」


ドギャアアアン!こんな時に限って特に理由のないヒーローがこの街を壊す!


「ああいう手合いからこの街を守る為に奮闘しているのです!

 どうかお力を貸していただきたい!」


予想外の展開だが飛んで火に入る夏の虫!

久々に登場のウルトライダー龍二は収入の良い仕事に転職して

若い体に飽かせて昼間に働き、夜中に課金ゲームすると言う生活を送っていたが

戦闘をしない為に起こる謎エネルギーの暴走でテコ入れのパワーアップに成功!


「アライブ!」の電子音と共に強化形態、龍二アライブへと変身する。

焔に包まれたその姿はまさに禍々しいの一言だァ!


「任せて!おじさんは下がってて!」


ここは謎の美少女戦隊が応戦!爆炎とニチアサを彩る様な玉虫色の光の攻防!

そして・・・


「デリシャス・スイート・フィナーレ!」


「ぐァァァ!?」

謎の美少女プリなんとか的な5人の息の合った合体技により

ウルトライダー龍二は近くの川まで吹き飛ばされる。

特撮モノにおいて水落ちは生存フラグだから、まあ死んでいないでしょう。

今日もなかなか良いエネルギーのデータが取れたぞ!


「あの、すいません。いきなりこっちの世界に来て良く分からなくて・・・」


「気にしないで下さい。次からは出る番組を間違えちゃいけませんよ?」


謎の・・・名前を聞いたら版権に引っかかるであろう美少女戦隊達は

クロイズム帝国社のタイムリープ技術を応用した時空転送装置で

元の世界へと送って差し上げましたが・・・


「異世界ヒーロー来ると、やられた分の損害は保険対象外なんだよなァ。

 しんどい。帰りたい。後でウルトライダーを辻斬りしよう・・・」


塩河はドスブレードを握りしめてダークネス因子のどす黒さを漂わせながら

夜の街へと消えて行った・・・

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