悪の組織vs幼稚園児!地獄の遠足ツアー!

「ヒー!この幼稚園バスは我々シオカワが占拠した!

 お前たちは悪の組織によって選ばれし子供に・・・」


「わーい!怪人のおじちゃんだー!」


「あー、ちょっと待って。お菓子は順番にあげるから!

 もっと怖がって怖がって」


悪の組織シオカワでは定期的に防犯キャンペーンとして

悪の怪人達による襲撃、拉致とは名ばかりの

怪人による子供たちとのふれあい企画が行われていた。


「まずはこの鉄格子に監禁だぁー!」


極悪怪人マジドクロさんの迫真の演技により

占拠されたバスからイベント会場へ向かい

手垢に塗れた悪の組織っぽい事をするのだ!

しかし、そういうのを見慣れている子供たちは・・・

案外大人しく入っている。何故だぁ!?


「だってこの世界が一つの牢獄なんだよね?」


「どこにいってもきっとこうなんだと思う」


「檻だよね。この時代って・・・」


荒んでいる!子供なのになんか達観しているゥー!?


マジドクロさんもマジビビり。罪悪感から早めにイベントを済ませ・・・


次はシオカワの悪の舞踏を踊るのだ!

一体感を持たせる為に・・・某所の名物であるさんさ踊りだァ!

サッコラチョイワヤッセ!の〆から無限ループでビートを刻んでいくゥ!


ふんふん、子供たちが悪の組織に従っているぜー?

すると、思わぬ事態が発生!


「トゥーア!シオカワめ!子供たちを連れ去って洗脳するつもりか!?許さんっ!」


革手袋をギチギチ鳴らしてウルトライダーシャドーが変身する!

思わぬヒーローショーの幕開けだぁ!


ここでヒーローショー常連にして我が組織のダークヒーロー

ウルトライダーデストロイが出動!


「スゲー!」「頑張れー!」


本当にCGなんかじゃないビームや剣戟が繰り広げられる!


「ハイパー・シャドー・ストライク!」


「ぐわぁぁぁ!!」

今日は子供たちを守る為にマジドクロさんも奮戦するが

出オチの様に吹っ飛ばされて爆発!


「大丈夫ー?」「マジドクロ死なないで―!」


「うん。これがね。オジサンのお仕事だから・・・」


爆発担保保障はウルトライダーのエネルギーを相殺する為の

何かそういうエネルギーをぶつけた時に爆発するので

怪人は多少怪我してボロボロになるものの死にはしないのだ!


ここで、ウルトライダーデストロイ、新アイテムを使用!

「ソレノイド・マニューバ!アクティブ!」


ベルトのスロットに特殊な増設バッテリーを挿入!

これによりデストロイの戦闘力は上昇し謎エネルギーが

ダークネス係数との掛け算の様にパワーアップして

インジケーターに記された納めた保険料の数だけ強くなる!

毎月お納めになってる保険料で賄えるのでお財布にも優しいぞ!多分・・・


基本、悪の組織のダークヒーローは対人対物無制限保障!

急激かつ外来の事故以外の負傷にも対応!

それに市街地半径30km以内の爆発までどうにか保障しているのだ!


電流迸るデストロイが高くジャンプ!

クリムゾンスフィアから力を溜めるシャドー!


「スパイラル・デストロイ・ストラァイク!!!!」


「!?」


ウルトライダーシャドーは思わぬパワーの波動に吹き飛ばされ

大爆発と共に崖の下へと落ちて行きましたが・・・

行方をくらましたので死んではいない模様。

不思議な事が起こるでしょうからまた強くなって帰ってきます。

せいぜい良いデータとして戻ってきてもらいたいですね。


「ねー。デストロイさんってカノジョ居るの―?」


「デストロイのベルトどこで売ってるのー?」


「くすぐったいくすぐったい!後でオモチャ送ってあげるからね?

 今日は遠足楽しかった?」


「はーーーい!」


悪の組織シオカワは特に理由のないヒーローから子供たちを守る為

子供たちに悪の何たるかを教えながらも優しさを忘れさせない様に

日々奮闘しているのだった・・・

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