変身の長いヒーロー!待ってあげるが世の情け!!

またもや謎のパワーに目覚めてしまったウルトライダーが一人。

彼はバイクにも乗らず、不法行為の類を行わない今風の若者に見えますが・・・


「ウォォォォォォォ!!!」


これは某読者モデルライダーレベルのシャウト!なかなかの迫力だ!

「ァアアアアアア!!!」


これは人外の心肺の持ち主!・・・ですが・・・


「ウァァァァァ!!!」


初めての変身ってインパクトの為に長いと言うのがありますねぇ。

長すぎますが、爆炎燃え盛ってるのでもう少し待ってあげましょう

怪人ドリルマンも爆発しすぎて死なないかどうか心配そうです。


「いやー、違う。」


「え?」


「お前おかしい。」


「なんすか?今変身の初期段階なんですけど・・・」


さすがドリルマン。ツッコミ怪人の異名を取る彼のスキルが光ります。


「え?自分、覚醒して10分ぐらい尺使っとるけど、それ毎回やるん?」


「いや、あの・・・」


「一日複数回やってみぃ?そんなんまた来週!ってなるで。身体持たへんやん」


ヒーロータイムにも尺と言うモノがあります。まずは日常風景から

シオカワの商売の匂いを嗅ぎつけて何となくイラっとした反社会ライダー達!

そこから因縁を吹っ掛けて我々の邪魔をしにくる。

過激なライダー略してウルトライダーなのだ!


いくら若さが振り向かない事であろうとも、大人の世界は時間厳守です!

うっせえわと蹴られても下がれません!


「ほんでな、ワシ、これからドリル芸人の営業あるねん。まだ変身するん?」


「・・・あの、また来週って事に出来ますか?なんかやる気が・・・」


「アホか!?怪人を前にしてイモ引くライダーがどこいるねん!?」


「ですよね・・・俺なんて・・・」


「泣くなやー!まだ若いんやから、せめて名前だけでも聞いたろか?」


「一応、ウルトライダーシグマと言う感じで・・・」


「よっしゃ、お前の名前覚えたからな!『ライバル契約』成立や!」


説明しよう!ライバル契約とは

必要悪として存在するウルトライダーを影で育成するべく

怪人と切磋琢磨して強くなり、シオカワの技術発展に貢献させる!

何かそんな契約である!これを獲得する事により

怪人のボーナスがちょっとだけ増えるのだ!

更に闇落ち契約と言う悪のウルトライダーを勧誘した暁には

幹部の座が約束され、強化怪人としての地位が保証されるのだ!


「ほんじゃ、ワシ、営業いくからの、若いの。近い内にまたやろうや。」


「ウォォォォォォ!!!!」


ウルトライダーシグマのバイオレンスクローが

背を向けたドリルマンの胴体に突き刺さる!

ここまでの尺引っ張りも彼のブラフだったのだ!


「ギャアアアアア!」


ここは普通怪人契約の爆発担保保障で脱出!

ドリルマンは残った生命力で地中深くに潜って逃げて

近くの病院へ緊急搬送されたのだった。

良い子のみんなは訳の分からない新人ウルトライダーに気を付けよう!



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