DAY 39-5
ベレスとカロンは一息つこうと、辿り着いた池で休息を取っていました。
カロンは水分補給、途中で身を隠す布も無くなったベレスは池の近くでただ項垂れていました。
生きる意味を持つことすら、私には許されていなかったと、ただそうやって自分を呪うばかり。
カロンは落ち込むベレスの隣に静かに座りました。
「⋯⋯調べたい事がある、と言うのは本当の事でしてね。ワタシがあの町に訪れたのはただの偶然では無いのですよ」
項垂れたまま、ベレスはカロンの言葉に耳を傾けました。
「レーダーを治しにパソンレイズンへ向かった、と前回会った時に言いましたよね。アレ、結果的には嘘だったんですよ」
カロンはポケットから手のひらに収まる丸い機械を取り出して、話を続けます。
「このレーダーは特定の元素を探知する機械でしてね、遠出をする際、ワタシが念の為携帯しておく物なんですよ。なので、本来反応を示す事自体があり得ないという代物だったんです」
と、カロンの話の途中で丸いレーダーは作動し、中に埋め込まれた模様が光り出したのです。
「何かの間違いと思ってパソンレイズンへ修理に向かったのですが、無惨にも滅びていてそこへは引き返したのです。するとレーダーは警備坑道を抜けた所で再び強い反応を示し、ワタシはある確信を得て、今、アナタのそばに居るのです⋯⋯」
カロンは光り出したレーダーを片手にベレスを一点に見つめると、確信に迫りました。
「探し求めて二年、ようやく見つけました⋯⋯光の魔法使いさん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます