第64話 FOUR of CUPS. カップの4
FOUR of CUPS.
水 構造化
カップの4が示すのは「倦怠」「懊悩」「惰性」「不満」です。
木の下に座っているひとりの思案する若者が、前に置かれた三つのカップをじっと見つめています。彼の前に並べられたカップはこれまでに成し遂げられた実績・業績を表します。
そこに「カップのエース」のように雲から現れた手がもう1つのカップを差し出すのです。このカップは質問者が考えている、あるいは提案されているアイデアや状況を示しています。
彼はこれに手を出そうとしていません。おそらく彼の心の中には、もっといいアイデアがあるはずだからさらに検討してみたほうがいいという気持ちがあるのでしょう。
彼は雲から現れた手が持っている新しいカップという誘惑に抗っているようにも見えます。彼の態度は閉ざした心を意味します。新しい機会や社会的なかかわりに対して拒絶の態度をとっているのです。今じゅうぶん愛情や感情が満たされています。これ以上を望んではならない、とでも言うように抵抗しているとしたら。
今はしばし考えるとき。質問者はゆったりと休み自分のことを見つめ直すためのじゅうぶんな時間をとるべきです。
新しい誘惑は確かに魅力的ですが、それが現在の幸福を破壊しかねません。だからなんでもかんでも自分のものにしようとせず、心を動かされないようにしているとも解釈できます。
または若者は差し出されたカップに気づいていません。
本当に大事なものを見失っています。
多くの人は、このカードに教訓めいたものを結びつけます。
「何か重要なことを見逃していますよ」とか「腕をほどいて愛のカップに手を伸ばさなければいけませんよ」などです。
雲から手が現れスートの示すものを持っている。各スートのエース以外でこれが見られるのはこのカードだけです。
【正位置】
「倦怠」疲れる、無力。殻に閉じこもる。距離を置く。おおげさな感情表現。
「懊悩」悩み、迷いの最中、逡巡。新しく挑戦するのに躊躇。新しいものについてよく考える。
「惰性」退屈、マンネリ。より高度な感情を強く求める。誘惑と快楽に屈する。
「不満」不平不満、不満足、ないものねだり。反感、嫌悪。古いものに疑問を抱く。
「失望」想像上の心痛。無視されている。
「拒否」停止、不快、浪費、悲観、現実を見ない。機会を顧みない。
このカードには〈行動をとるよりむしろ、考えをめぐらしましょう〉というメッセージが込められています。
外からの影響に鋭敏なため内に引きこもらざるをえない。外と内との感情的な軋轢に悩む。
誰かが好意を寄せているが質問者自身は気づいていない。
【逆位置】
「新規」目新しいもの、新しい目標、新しい交際、新たな関係性、協力者。人間関係の進展・変化・始まり。
「兆候」前兆、目覚め、気づき、ひらめき、可能性。
「改革」過去との決別、改革、転換、
「打破」迷いが消える、スランプからの脱出、変化の時、現状を打開。殻を破って出てくる。
「取得」新たな指示と教師。リスクを冒してでも新たなカップを手に取る。感じたままに行動する。
「解決」解決、新鮮、救済。
以前は無視した愛あるいはチャンスに再び目を向ける。
または現実を見る目が曇る。贅沢に失望する。
質問者は自分の殻を破り、行動に出ます。新しい冒険や来たるべきチャンスのための準備を始めます。社会との接触を取り戻し、周りの人に心を広げます。
対人関係はより成長した状態へと変わります。(たとえば、友だち関係から恋愛関係へ、親子の関係から大人同士の関係へと)。
新しい情熱がわき起こります。思いやりの心が愛情へと変わります。
このカードは逆位置になると、変化を意味することがあります。社会や家庭の誘いを受けるという意味にもなります。
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