タロット、ちょろっと、備忘録

第50話 TWO of WANDS. ワンドの2

TWO of WANDS.

　火　選択、バランス

　ワンドの2が示すのは「到達」「財産」「発展」「権力」です。

　城壁らしき場所に立つ、何かを達成した誇らしげな商人。彼はこれから征服できる可能性のある新たな世界を象徴する地球儀を右手に持ち、左手に理想や野心、情熱や冒険への欲求を意味する新しい計画をシンボライズしたワンドを握って、新たに征服するべきのどかな田園地帯の先に広がる海を眺めています。

　今よりもっと大きな世界へ目を向けているのです。

　もう一本のワンドは城壁に固定されたままです。彼がこれまでの人生で有した──責任、家族、名声──などつまり実績を象徴しています。

　ここでの彼の選択肢は、彼が今有しているもので満足するか、あるいは危険を冒して新たな経験を求めるか。過去の成果(のワンド)とこれからの計画(のワンド)のバランスが描かれています。

　彼は自分が有している小さな世界での成功や権力よりも、人生にはずっと重要な何かがあると、じゅうぶんに理解しているのです。

　しかし、彼はどれくらいのリスクを負うつもりでしょうか。

　彼の左側にある立方体の石には、赤い薔薇(情熱)と白い百合(正しい考え)を交差させたX字の紋章があります。

　「魔術師」の広間にあったのと同じ花です。それらは彼の欲望の純粋さを表しています。

　より高い理想に向け、どこへ、何をすべきか、さらなる躍進を考え、意欲を示しています。

【正位置】

「到達」目標の達成、成功。閉塞感がある成功。野心と重要な目的に関する結果を待っている。

「財産」富、金銭を得る、力と統合は世俗の成功と富をもたらす。

「発展」物事が拡大・発展する。ステップアップ、向上心、さらなる成長。壮麗。アイデアを具体化する。

「権力」よい地位、よい仕事。権力、野心的。征服と結婚。冒険と支配。(特に安全と冒険の間の)選択。

「苦慮」重大な決断、犠牲、高い地位ゆえの孤立。リスクの問題。

「苦悩」身体的な苦しみ、病気、無念、悲しみ、屈辱

　質問者は自分のとった行動に対する反応を待っています。その反応とは仕事の成果や展望、入学許可、有望な投資家、あるいは一般的な答えなどです。

【逆位置】

「停滞」結果が出ない、目標への進展がほとんどない、具体化しない可能性。

「迷走」思いがけないトラブル、方向が定まらずに迷う、足踏み状態。

「困難」障害、ためらい。悩み、恐れ。

「焦燥」束縛、逃避、失う、フラストレーション。

「衰退」孤立。無気力、不幸。富に囲まれた悲しみ。または過剰な独立心。

「驚嘆」驚き、驚異と意外性。魅惑された状態、感動。緊張感もあるわくわくする興奮。

　人生において新しい領域へと移動する。選択の結果。また健康低下。

　逆位置でも真剣さは変わりません。しかし可能性は具体化せず、結果は出ません。目標としていることについては、ほとんどあるいはまったく何も起こらず、失望しています。地球儀を手にしたポーズは支配をシンボライズしますが、逆位置ではその支配に陰りが出てきます。