第24話 XVI THE TOWER. 塔(あるいは神の家)

XVI THE TOWER. 塔(あるいは神の家)

 火星 (支配星座:牡羊座) レッド


 塔が示すのは「破壊」「転落」「変化」「真実」です。


 稲妻に打ち砕かれる塔は旧約聖書のバベルの塔がモチーフとされています。


 塔の崩壊は古い観念の崩壊やおごりの失敗を表します。劇的な「変化」、予期せぬアクシデントを暗示します。「破壊」の後には新たな誕生があり、固定観念や常識を一新するタイミングです。


 塔から「転落」する2人。右側の王冠をかぶった人物はネブラドネザル王、左側のケープをまとった人物はその高官とも言われています。


 塔の頂上から転落している丸屋根のような虚構の王冠は、私たちが行なうどんなことにも高次の目的があることを忘れてはならないという忠告です。

 現在の問題ないし状況には、質問者の人生の「より大きな目的」や意味があることを示唆しています。


 神の怒り──占星術的には火星と関係があります──が、実利主義という迷いのシンボルを打ちのめしています。

 これによって目覚めがもたらされ、真実が明らかになりました。

 古い考えを洗い流し、新しい生命の息吹が吹き込まれています。


 「塔」は突然の変化や状況が加速して進展することを意味する。

 他のカードや背景となっている問題によって、その変化は肯定的な結果にも否定的な結果にもなる。


 このカードは加速を意味するため、抑制しようとするものを突き破っていくことも珍しくない。

 これは良くも悪くもなりえます。従って「塔」の影響が何を揺るがし、どんな変化をもたらすかを見定めなければなりません。

 その際には、とりわけ「ペンタクル」のカードを見ていくべきです。


 精神面ではとてもよいカードです。孤独にしてきたパーソナリティや、真実を完全に知り得なかった心の一面に光をあてる洞察力と理解力が与えられます。


 このカードが出ている(とくにコミュニケーションと関連するカード、たとえば「魔術師」「ワンドの5」「ソード」のスートのカードとともに出ている)場合、コミュニケーションが重要になるような状況を意味しています。


【正位置】

「破壊」変革をもたらす崩壊、破滅、大災害、爆発しそうな状況、衝撃、衝撃的な出来事、衝突。改革。

「転落」災難、予期せぬアクシデント、よくない状態、失敗。急展開、あせりすぎる。悲劇。

「変化」不本意な変化、考え方が変わる、激変、状況が加速して進展する、損失、物事が危機的な状況に達する、既存の枠組みが変わる。

「真実」霊的啓示または衝撃的な発見)。啓発。真実に気がつく。ときに予期せず現れる真実。

「解放」長期的な問題が突然終焉を迎える。

「急病」危険、事故、高熱を出す、ケガ、ダメージ。ときに暴力を伴うような極端な状況。

【職業と為人】気の使いすぎ、急病を患う、怪我をする、事故に遭う、犯罪に巻き込まれる。何かのショックで、真実に目覚めた人、悟りを得る、真の意図をさらけ出す名探偵。

 真実と啓発のカードです。目覚めと新しいものの見方を意味します。もし、質問者が何かの問題に直面していない場合は単に困難を表します。暗闇の中でさまよう質問者を、そこから叩き出します。利己的な傾向や、人を利用しようとする下心が暴かれます。真の意図は何なのかが、白昼の下にさらけ出されます。質問者が自分という存在をはっきり知るため探求を続けているなら、このカードはよい意味を帯びます。質問者の研ぎ澄まされたパーソナリティによって、今の状況から真実をあぶり出せるからです。健康では、気の使いすぎや病気による衰弱が暗示されます。これらは、職場での決まりきった仕事や家庭での役割分担から来るようです。


【逆位置】

「緊迫」緊張状態、動揺、衝突とその後の復活。不安定な状態が続く、対立する。

「混沌」不安、罠にはまる、圧力がかかる、先が見えず迷う。

「変化」変わらざるをえない。期待どおりの変化。収拾可能な危機。

「虚偽」詐欺に遭う、嘘、誤解。(裏表で)真実がわかること。

「停滞」長引く不運、ゆっくり進む。新しい事を拒絶。それほど極端でない状況、引き下がる、尻込みする。

「危機」小さくてすむ事故や危険、最悪は免れる。受難。避けようと思えば避けられる危機。

【職業と為人】不可能な転職や退職、解放や自由の感覚はないかも。

 ウェイト曰く「(正位置と)同じ意味、しかしその程度はより小さい」

 ただし、質問者がそのことに気がついていて、さほど大きなショックは受けず、まったく無防備状態で被害をこうむるようなことはありません。危機は、深刻なものではありません。真実が、よい変化を運んできます。質問者が、自分自身のあるいは他の人のわがままや無知の犠牲にならずに済みます。



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