「何が出るんだ」

「早く、早く来てくれ！」

「鍵の開いたドアを押し開ける――なんと、そこに影男がいた！」

　緑色の着物姿の落語家が紫色の着物の落語家に指をさし、「こいつです」

　Ｒ太郎はＵ丸をじっと睨みつける。

　くすくす笑う落語家。「あまりにも黒すぎて、影になっちゃった」

　どよめく会場。

　ヤンヤの喝采。

　大爆笑。

　司会者は真顔でいった。「Ｙ田君、Ｕ丸さんに座布団一枚差しあげて」

「はい、かしこまりました」

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