ホラー大喜利

レックス・ジャック

「何が出るんだ」

「早く、早く来てくれ!」

「鍵の開いたドアを押し開ける――なんと、そこにくだんがいた!」

 黄色い着物姿の落語家が牛を真似て、

 閉じた唇をゆっくりと右回転に一周させると(微かに笑い声)

 両手で角をつくるポーズをし、「モーォ!」

 彼が続きをいう前に、

「くだんねえ!」と観客たちが先に答えた。

 茫然とする落語家。

 どよめく会場。

 ヤンヤの喝采。

 笑い声。

 司会者は真顔でいった。「Y田君! K久蔵さんの座布団全部持っていきなさい!!」

「ええー!」

「はい、かしこまりました」

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