雪乃を支えたい

雪乃が集中治療室から個室へ移されたのは倒れてから2週間後だった。


面会が可能になり

僕は雪乃に会いに病院へ向かった。


コンコンコン


「雪乃、すばるだけど入っていい?」


「どうぞ」


雪乃を見て泣きたくなったけど、どうにかこらえて微笑んだ。


「雪乃、倒れたって聞いてびっくりしたよ。もう大丈夫?」


「すばるくん心配かけてごめんね。もう苦しくないし大丈夫だよ」


「それならよかった」


「ねぇ、すばるくん。私の心臓が持たないこと田中先生から聞いたの。それでね、私が心臓移植手術間に合わなくて死んじゃったらと思うと、すごく怖いの・・・」


「雪乃は僕がずっとそばにいて支えるよ。僕にはそれだけしか出来ないけど・・・」


「そんなの、すばるくんに悪いよ・・・すばるくんのこと大好きだけど私達別れたほうがいいと思うの。すばるくんと付き合えてすごく楽しかった」


「僕は雪乃とこれからもずっと一緒にいたいよ。別れたくない。お願いだから雪乃のそばにいさせて」


「もし、私がいなくなったら、すばるくん一人になっちゃうのよ・・・それでもいいの?」


「いなくなるとか言わないで。助かるって信じて生きていこうよ。僕は雪乃と生きていきたい」


「すばるくんありがとう」



雪乃は泣いていた。


僕は雪乃を抱きしめて


「雪乃、愛してるよ」と伝えた。


「私もすばるくんを愛しています」



愛を確認し合った春



雪乃との別れまで

あと数ヶ月だなんて思いもしなかったんだ・・・。

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