師匠と弟子? (表)
体育祭が終わってはや1週間、そろそろ夏休みに入るかという時期だ
あの後どうやらテロ組織が侵入してあちこちで暴れていたようで体育祭は中止になった
けれど特に人的被害は出ていないらしく、周りにいた生徒、教職員等が取り押さえたという
そして警備を担当していた超能力協会には批判が相次いだと言う
この学園にはどちらかと言うと擁護や同情の声が多かったらしい
それでも事後処理は大変そうで学園長は仕事に追われているみたいだが
テロ組織と聞いてあの子が言っていたのは本当だったのか?と思い、もう一度話を聞こうとしたが何故か既に転校していた
そんなことより問題は、僕がトーナメントから逃げてたまたまテロ組織に会ったことを
「いち早くテロ組織が来ることを察知し、転移場所を予測し応戦した」
と言う情報になっていることだ
なんかだんだんひどくなってないか?少しずつ噂に尾ひれがついてるんだが…
結局あの大男はどうなったんだろう?壁にぶつかってからの記憶がないんだよなぁ
$ $ $ $ $
「私を弟子にしてください!」
ちょっと待て、何だこの状況
「えっとー、如月さんだよね?いきなりどうしたの?」
「無礼なのは分かってます、一度はあなたの実力を疑い勝負を挑みましたが、その後貴方の数々の偉業を聞き、考えを改めました」
いや改めなくていいよ?
「私に修行をつけてください!」
「えぇっと…、僕に教えられることはないんだけど…」
「貴方のいつもの生活を見させてもらえるだけでもいいです!その中に強さの秘密があると思いますので」
いや、ないよ?そんな漫画みたいな生活は送ってないけど…
でもこのまま断ると絵面がやばい、美少女に土下座させてるとかどんな噂になるか分かったもんじゃない
まぁ普通に暮らすだけならいいかな…
「分かったよ、僕はいつも通りにするだけだからね」
「ありがとうございます!」
$ $ $ $ $
今僕は訓練場に来ている
何故かって?
自分の身を守るためさ、最近奇跡的に助かってるとはいえ物騒なことにばかり巻き込まれているからその備えのために最近始めたんだ
まだ装備もわからないことが多かったから、色々試してみたんだけど…実用性がありそう、使いこなせそうなのは盾ぐらいのものだった
飛行機能も練習すれば便利そうなのか…?
じ〜〜〜
というか、すごく視線を感じる
まぁ気にしても仕方ないし練習始めるか
とりあえず盾を投げてみる
しかし結構狙ったのにも関わらず盾はあれよあれよと違う方向に飛んでいきかすりもしない
「はぁ…」
そのまま後ろを振り向くと彼女が俺をキラキラしていた目で見つめていた、どうしたんだろう?
その後少し装備装備の確認をした後、散歩に学園の外へ出かけていた
ヒュッ! チッ! チュン!
最近は変な物音がなかったが今日は久しぶりに変な音がした
ちょくちょく歩くのをやめ、周りを見ても何もない、本当に何なんだろう?
はぁ、ゴクゴク
最近買った水筒で水を飲む、騒動に巻き込まれても壊れないように耐久性に長けているものにした、なかなかの値段がしたから大事にしたい
「あっ」
カンッ! コロコロコロ…
仕舞おうとしたら早速道路に向けて落としてしまったーーー
ブーブロロー… ガシャン!
その瞬間自動車が高速で僕の水筒を轢いていった
(僕の水筒ぉぉぉぉ!!)
それだけではなく硬い水筒を轢いた自動車は当たり前の如くトリップ
ガードレールに激突した
(僕の人生ぃぃぃぃ!!)
終わったな…
みんな…今までありがとう…
$ $ $ $ $
そんなこんなで今僕は寮で何事もなく夕飯を食べている
これには色々と理由がある
まず、自動車が無人だったので人的被害がなかったらしい
それと、近くにいた如月さんが弁解をしてくれた
普通に考えて何を言っても無駄だと思うのだが何をしたのだろうか…
もしかしたら今流れてる噂に助けられたのかもしれない
どうやら補修費用まで払ってくれたらしく帰り際に
「ありがとうございました、とても勉強になりました」
とお礼を言われたが完全に僕が言うべきだろう
彼女がいなければ今頃僕は退学になっているはずだ
何かしらの形でお礼をしないとな…
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