第2話 彼女を襲った悲劇



「彼女にいってらっしゃいの言葉をおくった」


「それが最後だった」


 心配しないで 杞憂だから

 考えすぎだよ

 だってみんなうまくいってるんだから


 彼女はそういった

 でも その日は不穏な朝だった


 不安がよぎったあの時に 止めていれば


 君の姿が 玄関の先に消えて

 もう頭を抱えずにはいられないんだ


 何度も夢に見るんだ


 ひきとめたいのに それは夢だから

 何もできなくて 結局いつも終わってしまう


 影がいつも笑っているよ

 玄関に立つ彼女の影が


 朝 起きたら

 誰も声をかけてくれない


 朝食は自分でつくって

 子供がいたら少しはこの気持ちも紛れたんだろうか


 ああ 君が出ていった玄関なんて出たくないな


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