第2話 無我夢中走者



 いつか見たおっきな背中を追いかけて

 走って 走って ずっと無我夢中で走ってたら

 いつの間にか大切な事忘れていた


 もっと周りを見てよ

 もっと自分を気遣ってよ

 なんて


 そんな事言われちゃった


 無茶しすぎたのかな


 夢の力は大きい

 走ってる時は 無我夢中

 なんでもできそうな気がして

 いつまでもやっていけそうな気もして


 けれど その代償も大きくて


 大切な物に ヒビが入ってしまってから気が付いたんだ


 今さらなのかな

 それともまだ 取り戻せる?


 なりふりかまってられなくて

 いつのまにか 見えなくなってたものを


 まだ この手のひらにのせてみても 大丈夫かな


「今度はそのまぶしすぎる輝きに目をくらませないようにしよう」


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