第27話 銀の腕輪
「ところで、セバス。鉄球が落ちてなかったか?」
「はて、そのようなものは落ちてませんでしたが」
て、鉄球はどこに?!
そう思っていたのだが、セバスから予想外の言葉が出た。
「ハルト様の近くに腕輪が落ちておりましたが、ご覧になりますか?」
「ああ、見せてくれ」
「はい、こちらに」
自室においてある机の上に置いてある腕輪をセバスが手渡してきた。
銀色の飾り気のない腕輪だった。
「ほかにはなかったか?」
「いえ、ハルト様のそばには、こちらしかありませんでした」
鉄球が紛失して、腕輪が出てきた。
それに対する結論は一つしかない。
鉄球は元々腕輪だったという事だ。
何らかの理由で鉄球に隠ぺいしていたと考えるのが普通だな。
「わかった。セバス少し休むから、退室してくれ」
「承知しました。何かあればお呼びください
執事がそのまま退出し、トアが閉められる。
セバスが部屋を出ると、ハルトは腕輪を左腕に装着。軽く魔力を通してみる。
すると頭の中にいくつかの知識が流れ込んできた。
――どうやら、【鑑定】と【時空魔法】が使えるようだ。
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