第2話 運命を定める神と道化の戦い



「堕ちた女神が運命を決める」


「その狂気にまみれた手で賽を振るう」


 今までにどれだけの人々が泣いてきた

 どれだけの血が流れてきた

 悲劇の連鎖はここで終わらせよう


――道化が降り立った


 風が止まっていく

 あえりない奇跡を見せてほしい


 ひとかけらでも失ったら敗北確定

 それでも恐れない


――望んだところだ


 何も失わない 何も失わせない

 きれいごとを口にしながら

 道化は 王座に向かって歩いていった


「それはありえない軌跡をたどった奇跡」


「でも、もしそんな世界があるのだとしたら」


「後にあれほどの惨劇が積み重なる事はなかったかもしれない」



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