つかめぬ袖
相楽に戦場に向かうのか聞こうとも思ったが、時間もなく、
次の朝、相楽は仲間達と共に戦場に旅立っていった。
婆様が貴重な火打石をカンカンと鳴らし、男達を送り出した。
男達は最初ゲラゲラと笑ってはいたが、やがて覚悟を決めた顔になり、村を去っていった。
相楽に話しかけたかったが、中々隙もなく、
お蜜にはそのまま男達を見送ることしかできなかった。
ちらりと人の中に相楽の着物の袖が見え、引こうとしたが、手を強く握りしめてぐっと耐えた。
これで相楽を見るのは最後かもしれない。
戦場は男の憧れだ。
相楽とて若い男だ。
床の上で死にたくはないのだろう。
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