24.3DS『プチノベル・収穫の十二月』シリーズ

 ジャンル:ノベル/長さ:長め/オススメ度:★★☆☆☆


 今回もおススメ度の通りの内容です。このゲームがお好きな方は読まれない方がよろしいかと思います。



 豪雪で有名な多神たがみ町。そこには本当に目に見える存在として「神」が存在していた。


 両親の仕事の都合で引っ越してきた紺野こんの柾木まさきは、その日に土地神である女性「しろ」と出会う。しろは彼を一目で気に入り、柾木も受け入れる。


 ところが翌日。新しい学校での初日で、今度は多紙町で一番の名家の娘である十和田とわだ雪にも告白され、彼は受け入れてしまう。

 こうして神と人との奇妙な三角関係は始まる――。



 6でも紹介したような、ダウンロード限定のノベルゲームです。

 しかもこちらは12月から次の年の12月までを描いた、全十三章を一話ずつ購入する珍しいタイプ。

 私は定期的に実施される半額セールで買いました。


 さて内容ですが、基本はローファンタジーです。主人公と仲間達の学校生活があり、少々苛烈なラブコメがあり。

 話が進むと、土地神が絡んだファンタジーな展開に入り、本気度の高い戦闘シーンがあったりします。


 でも、根本には主人公・柾木の心の移り変わりがある……わけですが、これが非常に読者を選びます。



 まず、彼は「非日常」に惹かれます。「好き」なんてレベルを超えて、性質として描かれています。だから、「普通」でない女性からのアプローチをあっさり受け入れてしまうんです。


 じゃあ感情に任せた人間かというと、普段は非常に理屈屋で色々なことを論じたりします。

 父親が神学者で、そう言った方面の知識にも強く、仲間内では参謀役でもあります。


 要するに何が言いたいかというと(一人称で語られながら)、感情移入しにくいということ。文章にもクセがありますし、共感出来る読者がどれだけいるか……。


 メインヒロインの二人以外にも、もちろん女の子が出てきます。でも、良い雰囲気になって近寄られると、柾木は突然臆して逃げ出したりするので、こちらは「え?」です。

 言動が凄くチグハグなんです。



 そして★が低い大きな原因はラスト近辺の展開とエンディングです。

 もちろん、好みもあるでしょう。けれど私の感想は、「これをやったあとでこの結論はない」でした。


 ただ、おおむねは面白かったですし、時間をかけながらも最後までプレイ出来たのでこの評価とさせて頂きます。

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