うつつ

この世の全ての料理が乗ったテーブル。

この世の全ての本がしまわれた図書館。

天にものぼる心地のベッド。

 決して自分の信念も価値観も、否定されない集団。

 まるで無垢な少女のように、都会の喧騒とは無縁の街。

 望めばいつでも家族や友達と飯を食いに行ける空間。

 やりたいと思ったことがすぐに出来る環境。

 


 そんなものがある夢を見た。

 ない癖に。


 覚めなければ良かったのに。

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