タイトルを入力してください。

@toiyuki

キミのとなりのあるきかた

キミのとなりを歩きたい。

二人で並んで、二人だけで並んで。

でもそれってとっても難しい。


キミの歩幅は?歩くペースは?

時々立ち止まったりする?

周りをキョロキョロ見渡したりする?突然走り出したりする?

ぼくがちょっと遅れちゃったら、後ろを振り返ってくれるかな。


ぼくはいつも背中を丸めて、顔を伏せて道の端っこを歩くけど、

キミはきっと、胸を張って、道の真ん中を歩くんだよね。


信号は、走って渡る?

それとも焦らず次の青を待つのかな。

横断歩道では手をあげる?

右左右、渡る前には見ないと危ないよ。


ふとした拍子、手の甲がちょびっと触れたとき、ドキッとしてくれるかな。

それともツンとすまして、知らん顔?

手を繋ぐだなんて、まだ到底できないけれど、

せめてキミの裾を掴ませてくれないかな。


キミが他の誰かと歩いていても、ぼくは絶対、割り込めない。

楽しそうに話していても、取り繕って笑顔を貼り付けているだけ。

キミの元気も、朗らかさも、時々ぼくには眩しすぎる。


それでもぼくは。

そんな所もぼくは。



キミのとなりを歩きたい。

それは日に日に抑えられない思いとなり、

ぼくにとって心から焦がれる人となり、

それでも知らないひととなり。



キミのとなりを歩きたい。

それってとっても難しい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る