第47話 遊園地で遊ぶ。−7
また、あの人たちに会えたら喧嘩するかもしれない、広場に入ってから緊張してみんなと歩いていた。
遊園地の広場って意外と広いな、いろんな食べ物とか売っていたのに喧嘩してしまって見回す時間もなかった。
そのうち桜色の綿飴が一番目立っていた、先輩が好きそうなもの。なんか綿飴食べている先輩の顔が浮かんで来る。
うん…俺はなぜ桜色を見ただけで先輩のことを思い出すんだ。まさかあれか…、部屋で先輩とやったことを思い出したら急に恥ずかしくなった。
「加藤さん?暑いですか?」
「え?なんで?」
「顔が赤いです。」
「そうかな…暑いかも。」
向こうから階段を下りる夕たちの姿を見て腕を振る康二。
「よー!みんな、久しぶり〜ハハハ!」
「テンション高すぎ…夕。」
「えー?そんなことないよー」
「おい!ちょっと待って、夕!これは…」
康二は夕の顔をじっと見つめて声を上げる。
「まさか…二宮さんに?」
「えへへーそうかな?」
「なになに?」
木上がざわざわしている二人のところに来た。
「ちょっとーいつまでそうしているつもり?」
「夕のあれに気を取られてしまった…」
「そう、俺さ〜結奈とお弁当作ったぞ〜!一緒に食べるか!いっぱい作ってしまったからさ。」
「そう?えー?夕の料理…」
「なんだ、その疑う目は!」
「なんとなく…」
6人が大きな木の下に集めて、二宮が持って来た大きい弁当箱に驚いていた。派手な外観は差し置いて高さがやばかった。
6段…?見た目では6段だけど、こんなものが作れるのかすごいな、二人とも。
「どー!俺と!結奈ちゃんが一緒に作ったお弁当だ!」
なんとなく拍手をしていた。
「おー!お疲れ様でした!二宮さん!」
「おい!康二!俺もやったぞ!」
二宮はその巨大なお弁当を開けた。おにぎり、唐揚げ、卵焼き、ソーセージ、ハンバーグ、サラダなど…定番なんだけど派手に見えるおかずがいっぱい入っていた。
「夕、あーん。」
二宮が夕にあーんとかしている…
「あーん。」
やはり恋人って違うよな、こんな行為もさりげなくできるなんて幸せそうだった。夕の笑顔と二宮の笑顔が見られて、とてもお似合のいいカップルだと思った。
てか、康二…夕のことすごく見てるし…
「おい…康二、なにじっと見てる。」
「え…いや、なんか羨ましいなと思ってさ。」
「そうだったら木上に頼んだら?」
「出来ねぇーよ。」
「なんで?」
「春木は武藤に頼めるかい?」
「え…ダメかも…」
「そうだろう?」
後ろから見える木上の姿、唐揚げを取って康二の後ろで待っていた。
「ほらー後ろ。」
康二の肩を叩いた俺は人差し指で後ろの木上を指した。後ろから夕と二宮も康二を見つめてほほ笑む。
周りの視線に恥ずかしがってためらう康二。
「えっ…!」
「はいー、あーん。」
「いい…大丈夫、一人で出来る。」
「…うん。」
卵焼きを取って口に入れる、そのまま康二にデコピンをした。
「なんだよ…」
「ほらー」
あーんして木上の唐揚げを食べる康二の勇気に拍手をした。
「頑張ったなー」
「うるさい…変なことを言うな。」
笑いが出る。
「はい、加藤さんも!あーん。」
みんなの真似をする加藤が卵焼きを取っていた。
「え…俺はいい!」
「やれ!武藤!一口食わせてくれ!」
「はい、任せてください!」
何を食わせるって言う、そして何を任せるって言うのか二人は…ごめんな、みんな俺はここから離れる準備をすでに済ませておる。
「ふふふ…」
と、言うところで…
康二と夕に上半身を捕まれた。
「入るぞー」
「…だめだ!」
なんか目が怖い…
「はい〜あーんしてください。加藤さん。」
ごめん、加藤…これはどう見ても怒ってる様子だろう。
「あ、あーん。」
「よしよし〜」
一口食べた後、なんか武藤に撫で撫でされている俺がいた…
こうして笑って話すのがいい、からかうのもいいんだ。俺は楽しい、この普通にありそうな状況も、みんなも、ただで過ごした日々が変える瞬間だった。
それにしても、これは普通の状況かな…とたまに思うし…。
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