隣の席の女子が授業中、俺のアソコをまさぐってくるんだが。

深谷花びら大回転

第1話 一時限目

 高二の春……も、もう終わりの頃、俺こと速水はやみ早太郎そうたろうは、高校生活にやや不満を感じていた。


 普通に友達はいるし環境も悪くない。至って穏やかな日常を送っている……が、その起伏のない日々に不満を感じていた。


 ……刺激が足りないな。


 いわゆる欲求不満というやつだ。


 クラスが替わってからはや三週間。皆、新しい環境に慣れ、毎日が変わり映えしないものになっていた。


 学内でも有名な南沢みなみさわ那美なみとクラスが一緒だと知った時は、ラブコメの一つや二つ始まっちゃうんじゃないの? なんて期待してたが……今日の今日まで会話ゼロ。


 隣の席なのになぁ。


 学校に来て、友達と駄弁だべって、授業を受けて、そんな退屈な日常を、俺は今日も今日とて惰性だせいで過ごす。


 あーあ……なんか起きねえかなぁ。


 頬杖をつき、窓の外を眺めながら、俺は平穏を呪った。


 ――――――――――――。


 今だから言える。あの時の俺は平和ボケしていた。平穏な日常を軽んじていた。贅沢な悩みを抱えやがって、俺の馬鹿が! そう、言ってやれる――てか言ってやりたい!


     ***


「えーつまりここの問題はだな……」


 時は一時限目。数学担当の教師がカツカツと小気味よい音をたて、黒板に数字を羅列している最中に事件は起こった。


 ――――んふッ⁉


 俺のアソコの先端に、なにかが触れたのだ。


 一体なにが? 俺はすぐさま確認し――そして驚愕した。


 俺のではない何者かの手が、俺のムスコをあやすように置かれていたからだ。


 その手が誰の手かはすぐに判明した。


 み、南沢ッ⁉


 隣の席、校内一の美女こと南沢那美が俺のアソコに手を伸ばしてていたのだ。


 え? え? どうして南沢が授業中に俺のチ〇チ〇を?


 南沢は涼しげな顔して黒板を見つめ、シャーペンを持った右手でノートに書き写し、俺のアソコを左手でいじくりまわす。


 あ、やめて……そんな……触れちゃうと……。


「――――ッ」


 南沢のハッとした表情を見せたのと、俺のアソコが大きくなったのはほぼ同時だった。


 恐れをなしたのか彼女は一度手を引っ込めた。


 が、完全に逃げたわけではなく、大きくなった俺のアソコの先端をつんつんと指でつついてきた。


 うくっ――――。


 俺は声を漏らさず、なおかつあっちも漏れないよう我慢するのに必死だった。


 しかしながら南沢の責めは続く。ビッグになった俺のムスコに慣れてきたのだろう、彼女は再び先端をネジ巻くようにいじりだす。


 ん、あっ、んんッ!


 童貞の俺には刺激が強すぎた。自分の手ですら、こすって3分のウルトラ〇ン仕様だというのに、女子にいじられたらそれはもう大変なこと。授業中に『デュワッ!』してしまう。


 ――も、もう……だ、め……。


「――この問題わかるヤツいるかー」


 その時だった。数学の教師が振り返ると同時に、南沢は手を引っ込めたのだ。


 …………た、助かったぁ。


「ん? どうした速水? 顔中汗まみれじゃないか」


「え? あ、すみません、汗っかきなもので。それより先生、トイレ行ってきてもよろしいでしょうか?」


「おう、さっさと行ってこい」


「ありがとうございます」


 俺は逃げるように教室を後にし、廊下を駆け、個室トイレ内でイキかけを無事処理することに成功した。

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