隣人の不在と空いた掌

 君の瞳をのぞきこんでも

 ただ僕が見えるだけだった

 心の中まで分からないけど

 僕を見てないのは分かる


 二人並んだ通学路

 心離れた帰り道

 日が落ちたそこは終わりだった


 二人笑ったあの映画

 口数減った駅の中

 暖かかったそこには何も無い


 会いたいを言っても

 君の言葉が痛い

 バイバイは言わない

 君とまた会いたいから


 冬に燃え上がる恋をした

 何もしなくても

 君はいた

 僕はいた


 夏に燃え尽きた恋をした

 何もしなくても

 君は去り

 僕は消えた


 君の瞳をのぞきこんでも

 僕の姿は見えなかった

 心なんて感じもしない


 僕らはもう 僕だけになった

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