詩人の死
やっと君をまっすぐに見られた。
それはつまり僕の死だ。
僕という個が死んだのだ。
僕という個が膜をなくして
コモン・センスに飲み込まれたのだ。
君を単純に分節化する
そんなフツウを行ったから。
僕は生まれつき詩人だった。
また同時に生真面目でもあった。
その両者はいずれ相反し
互いを叩き合う定めであった。
君を憎しみ抜きにして
ただ薄っぺらな愛をして
学術的分析に落とし込み
高尚な群れに身をやつす。
本が書けそうな美談になった。
それはつまり僕の死だ。
僕という詩人がたった今
死んだのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます