詐欺師
顔色を
ああ、うん、うん、わかったよ、
もう言わないでくれよ、と。
今にどこかおっこちてしまいそうな、
不安定を演じてみよう。
そうすると君は不安になって、
ちょっとは僕に優しくなるだろう。
滑らかによどみつつ、
筆洗のなかみを思い浮かべて。
ごめんね、ごめんね、と言いながら、
内心にやりと笑っていよう。
結局 詐欺師を気どっていよう。
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