第8話 撃沈

一瞬、フワッと雷撃機が浮き上がる。

投てきした!

そう、私の感覚としては、発射というか、解き放つという感じ。

雷撃隊は身軽になった機体を上昇させ、被弾面を最小にしながら敵艦上空を駆け抜けてゆく。

幸い、敵の対空射撃は極めて散発的で、全く危なげない。

海面を見ると、本当にうっすらと、酸素魚雷の雷跡が三本、敵艦の側面中心に向けて一直線に伸びており、命中を確信した。


もし海面にいたならば、何か雷音は聞こえるのだろうか?

こんなに静かに近づいてくる超巨大な爆発物は、ほかに存在するだろうか?

私はその雷跡の美しい直線に見とれながら、そんなことを考えた。


雷跡は急速に敵艦に吸い込まれてゆく

3秒、2、1!!


業業業業業業業ゥ!


先程の爆撃のこともあり、私は衝撃に備え、身構えていた。


しかし、魚雷の爆発はそんな私の想像をはるかに超えるものであった。


凄まじい閃光が世界を照らすと、辺り一面を凄まじい地鳴りというか、海鳴りが鳴り響き、一瞬失った視力が回復すると、敵艦が海面から浮き上がって空中におり、真っ二つとなって、再び海面に着水しようとするところであった。






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