4



「佐藤なんて?」




そう聞いてくる緑に、じっとこちらを見て無言でポテトを頬張っている鞠。




「佐藤来たら帰るって」


「え、佐藤なんも買わないで帰る気?あのよく食べる佐藤が?」


「さとちん用に、持ち帰りでなんか先に買っといてあげよーか?」


「ていうか佐藤今日バイトとかなんか言ってたっけ?」


「ないはずだよー?」




私も、佐藤が今日バイトだとかは聞いていない。


週3程度でバイトに行っているらしい佐藤は、遊ぶときは全力で遊ぶし、バイトの時はキッチリすぐに帰る。


たまにバイトがないのに早く帰るという日があるけれど、理由は聞いていないし、今日はそこまで早い時間ではないから、このままだべって遊ぶものだと思っていた。




「さとちんが帰るっていうならこの後解散だねぇ。お菓子買ってかーえろっ」


「マリモはよくそれで太らないでいられるよね」


「ふふん、マリは神様にたくさん食べていいように作られたのだっ」


「そのうち30代くらいになって来てから太りやすくなったりして」


「そしたらマリ、みんな道連れにしてダイエットに励むからいーの!」


「巻き込むなし」




そんな言い合いを聞いていると、すぐお店の自動ドアから佐藤が現れた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る