#10 大・逆・転!
とまぁ、標的が完全に移ったし、被害が色々広がってるお陰で吉川さんの本性もバレはじめて、一部の連中には俺の噂も嘘だったと認識され始めた。
平和な生活に戻って、クラスメイトたちから「あの時わるかったなー」とか言われて『俺はハブられたこと忘れねーからなー』って脅して遊んでたら、真田マリから週末ウチに遊びに来たいって言われたの。
で、土曜日にウチに来てもらって今自分の部屋で二人っきりなんだけど、真田マリがめちゃくちゃ挙動不審。
上着脱いだと思ったらすぐ着なおして、またすぐ脱いで着るの。
俺が用意したジュースも3回倒してこぼしてるし。
おいおい大丈夫かよって様子見ると、鼻ヒクヒクさせてめっちゃ目泳がせてるし。
新しい手品でも披露すんのか?
だったらもっと上手になってからウチに来いよ!
あ!、ははーん、解ったぞ。
さてはコイツ、初めての男子部屋に興奮してやがるな?
俺が席外した途端、エロ本探しとかしちゃうつもりだろ?
今時の男子高校生はスマホでエロ動画漁ってんだよ!残念だったな!
今日は親が帰ってこないって聞いた途端、俺に襲われるとか妄想しちゃってるな?
普通に今日も帰ってくるけどな!ウチの親!
って一人脳内で盛り上がっていたら、上着脱いだサナマリが突然立ち上がって大声で吠えた。
「タローくん!好きです!付き合って!」
びっくりして俺までジュースこぼしちゃったよ。
俺の部屋のジュータン、シミだらけ。
で、一応聞いたのよ。俺一度痛い目見てるしね。
このタイミングでこれ聞くの自分でもサイテーだと思ったけど。
『それは嘘コクですか?』
「イイエチガイマス」
『なんで片言なんだよ!てか、脈無しじゃなかったのかよ!』
「いや、ふつーに前から好きだったし、カオリちゃん(吉川さん)に告って付き合ったって聞いた時はマジで凹んだし」
『なんだよなんなんだよー、めっちゃ嬉しいはずなのに、もの凄く複雑な気分なんすけど』
「なんでさ!?わたしのこと好きって言ってたじゃん!なんで複雑なの!?」
『いやまぁ、最初からそれ解ってたら、吉川さんのことOKせずに済んだし、もっと言えば告白される前にサナマリ(真田マリ)と付き合えてたら告白されることもなかったのかなぁって思うと複雑じゃん』
「あー、まーねー」
「てか返事まだしてもらってないんですけど!?」
『あー、えーっと、俺もサナマリ(真田マリ)のこと好きです。よろしくお願いします』って正座して返事した。
その後、夕方まで二人でいちゃいちゃして過ごして家まで送っていった。
真田マリの家の前で最後キスしてバイバイした。
やべぇぇぇぇ!やっぱサナマリ超かわいいいぃぃぃ!
クチビルやわらけぇぇぇぇ!
嘘つき女からの大逆転だわ、マジで。
帰り道、ニヤニヤが止まらなかったわ。
因みに、真田マリにはスマホ持ってること白状した。
電話番号とメールは教えた。
LINEは相変わらず登録してない。
家帰ったら、ジュータンシミだらけでかーちゃんにめちゃくちゃ怒られた。
**********************
まだ続きます。
次話から2章です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます