詩集D 死者と生者

仲仁へび(旧:離久)

第1話 死の腕



 忘れたい記憶がある

 それなのに 忘れられないんだ


 頭にこびりついて離れない

 どうして

 追いかけてくるんだ


 過去の幻影がすぐ この背中の後ろにいる

 そいつはほら 俺の首に手をかけている


 ぎゅう ぎゅう


 ぎり ぎり


「ああ、忘れる事ができないなら

 いっそこの苦痛に身を任せてしまってもいいかもしれないな」




「ストーリー」

 男は自らが殺めてしまった人間の亡霊に苦しんでいた。

 あの時はああするしかなかった。

 必死にいいわけをしても、亡霊は必ず蘇る。

 もう、楽になりたい。

 気が付いた時、男は自分の腕で首を絞めていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る