不倫4

僕は妻に声をかけていた。妻は振り返らない。僕は妻の背中に向かって言った。

「僕は君だけを愛してる」

妻は一瞬だけピクッとしたが、そのまま言った。

「さようなら」

僕は妻を追いかける事も出来ず、ドアがぴったり閉まった玄関を見つめていた。その時考えた事は「賠償金いくらだろう」だった。

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