白紙

「君は何を描きたいの?」

今は美術の時間。

お題は自由。

描けと言われてから三十分が経った頃、生徒の紙を見歩いていた先生が僕に聞いてきた。

今、僕の紙は白い。

だって何も描きたいものがないから。だから

「何も無い事を描きたいんです」

と言った。先生は驚いていた。

「……それも一つの芸術だ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る