いやたい水着・その2

9月19日の朝8時過ぎであった。


前日、はじめのメイゴのムコはんが犯したあやまちは、新しいバッテリーに取り替えたことで問題は解決した。


一行は、1泊2日に変更して江川崎ヘ向かうことにした。


その時に、家の前でまたもめ事が発生した。


一行が出発しようとした時に、卓が職場の同僚10人を連れてはじめのもとに来た。


卓がはじめに『車を貸してくれ…』と言うたことが原因で、はじめがブチ切れた。


はじめが『勝手なことをするな!!』と怒鳴り声をあげた。


卓は、ものすごく困った声ではじめに助けを求めた。


「オヤジ、必ず返すから貸してくれよぅ…ダチの車がエンコしたけんわやになったんや…車貸してくれぇ~」

「ダメだ!!車は(メイゴのムコはん)くんの車だ!!」

「オヤジ…車がないと丸亀(のボートレース)ヘ行くことができないんだよぅ~」

「だったらなんでJRで行かんのぞ!?」

「チケット買うカネがないんだよぅ~」

「ダメと言うたらダメだ!!」

「貸してくれぇ~」

「親がダメといよるからダメだ!!親の言うことを聞け!!」


卓は、はじめが言うた言葉にブチ切れた。


「なんやオドレ!!今オレになんて言うた!?」

「親の言うことを聞けと言うただけだ!!」

「オドレクソボケアホンダラ!!」


(ガツーン!!)


卓は、し烈な力を込めてはじめのこめかみをグーで殴りつけた。


「なにしやがる!!」

「あんたがクソなまいきだからしわいた!!」

「やるんか!!」

「やったらぁ!!」

「義父さま!!卓さんやめて!!」


あやみは必死になって卓とはじめを止めたが、はじめがあやみを突き飛ばした。


その後、卓とはじめはワケの分からない言葉をいいながら血みどろのどつきあいを展開した。


その間に、さおりは子どもたち3人を連れて家出した。


ところ変わって、国道56号線にて…


さおり母子4人は、キャリー付きの大きめのサックスバーのスーツケースと子どもたちの学校道具など4種類を持って、松山方面に向かってトボトボと歩いた。


卓は、気に入らないことがあれば家族に暴力をふるう…


義父母のおひとよしが原因で、居場所がなくなった…


ダンナは、ひとさまの家の大事な娘さんに手を出した…


実家へ帰りたいけど、両親からウザいと言われるから帰りたくない…


さおりは、ものすごくつらそうな表情で4人の子どもたちに言うた。


「なおと、ふみこ、まりよ…ごめんね…」


なおとは、さおりに怒った声で言うた。


「かあさん…かあさんは、ぼくたちに悪いことしたと思っていないのかよ!?」


さおりは、つらそうな表情でなおとに言うた。


「ごめんね…ごめんね…」


なおとは、ますます怒った声でさおりに言うた。


「ふざけんなよ!!ぼくたちはこれからどうなるんだよ!?」


さおりは、弱々しい声でなおとに言うた。


「ごめんね…ごめんね…」


なおとは、怒った声でさおりに言うた。


「ふざけんなよ!!ぼくとふみことまりよの人生をわやくちゃ(めちゃくちゃ)にする気か!?」

「(弱々しい声で)だからごめんねっていよるでしょ…おかーさん、しんどい…」


さおりの弱々しい態度にブチ切れたなおとは、ふみことまりよをさおりのてもとから離したあと、なおとのもとへ引き寄せた。


母子4人は、この日を最後に茂西家に帰らなくなった。


はじめとかなえの嫁いびりが原因で、茂西家は嫁はん3人をなくした。


さおり母子4人が家出してから4時間後のことであった。


家の大広間に、一人娘の静江(36歳)夫婦の家族とはじめ夫婦がいて話し合いをしていた。


静江の家族は、夫(42歳)と息子3人(小4と小1と4つ)の5人である。


静江は、はじめ夫婦にリコンすることを伝えた。


それを聞いたはじめは、ものすごくつらそうな表情で言うた。


「リコン…なんで急にリコンすると言うんぞぉ~」


静江は、怒った口調ではじめに言うた。


「うちらは、ダンナと話し合って決めたのよ!!これ以上結婚生活をつづけたらうちらはダメになるのよ!!」

「それはどういうことだ?」

「うちらはリコンすると言うたらリコンするのよ!!」


かなえは、つらそうな表情でムコはんに言うた。


「(ムコはん)、(ムコはん)はどうするのよぉ?」


かなえの呼びかけに対して、ムコはんは『イヤや…』とつらそうな声で言うた。


(パチーン!!)


静江は、平手打ちでムコはんの顔を叩いた。


「なにすんねん!?」

「やかましい甲斐性なし!!」

「オレのどこが甲斐性なしや!!」


ところ変わって、台所にて…


あやみは、静江たち家族5人とはじめ夫婦に出すお茶をいれる準備をしていた。


静江夫婦が怒鳴り声をあげてワケの分からんことをいよる声が台所まで聞こえた。


「キーッ!!」


(ガチャーン!!)


ブチ切れたあやみは、はたにあったガラス容器を流しの角に投げつけて壊した。


ガラスの破片が流しの周辺に飛び散った。


(カチャン!!)


ブチ切れたあやみは、ケトルが載っているガスコンロのコックを切ったあと、勝手口から出て行った。


その間、静江とムコはんは怒鳴りあいの大ゲンカを繰り広げた。


時は、夕方4時過ぎであった。


さおり母子4人は、新居浜駅行きの特急バスに乗って移動していた。


バスは、横河原の中心地から川内詰め所を経て再び国道11号線ヘ抜けた。


さおりは、ぼんやりとした表情で窓の外を見つめていた。


なおとは、冷めた目つきでさおりを見つめたあと、ふみことまりよの世話をした。


夕方5時半過ぎに、母子4人が乗っているバスがJR新居浜駅に到着した。


その後、さおり母子はJR新居浜駅から川之江営業所行きのバスに乗り換えて再び旅に出た。


母子4人は、川之江港通りのバス停でバスを降りた。


この日は、フジ川之江店のすぐ近くにある小さなホテルで宿泊した。


ホテルの部屋にて…


うす暗い部屋の大きめのベッドの上で、母子4人が寝ていた。


下着姿のなおとは、さおりに背を向けて眠っている。


さおりは、白のブラウス一枚の姿であおむけで眠っている。


ブラウスのボタンは、すべて外れている。


「ママ…」

「ママ…」


目をさましたふみことまりよがさおりに抱きついた。


その際に、ブラウスが開いた。


開いたブラウスの中から黒のユニクロ水着のスイムワンピースがあらわになった。


眠っているさおりは、水着のストラップをずらしてカップをはぐった(めくった)。


カップの中から、Hカップのふくよか過ぎる乳房があらわになった。


「ママ…」

「ママ…」


ふみことまりよは、さおりのふくよか過ぎる乳房に抱きついて甘えた。


眠っているさおりの目から涙がたくさんあふれ出た。


ごめんね…


なおと・ふみこ・まりよ…


ごめんね…


こんなだすい(だらけた)ママを許してね…

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