第10話 ひざまくら2

 お姉ちゃんも時々、ひざまくらをしてくれるわ。お姉ちゃんのひざまくらもなかなか気持ちいいのよ。


 お母さんのひざまくらより、狭くて、少し硬いけれど、お母さんよりも少しだけ温かいの。寒いときには最適ね。

 

 お姉ちゃんはわたしの体を両手でやさしく支えてくれるし、手で頭をちょうどいい角度に支えてくれるわ。

 それに、わたしが身じろぎしても、手の位置を調整して、わたしの頭が手のひらから落ちないように支えてくれるの。

 

 わたしを細やかに気遣ってくれるのよ。



 ただ、お姉ちゃんの難点はお兄ちゃんのすぐ側に座っていることね。

 お母さんはお父さんとは離れて座っていたし、最近はお父さんはどっか行っちゃったから、お母さんのひざの上で寝ているわたしに、ちょっかいをかける人なんていないの。


 それなのに!お兄ちゃんときたら


「すっげぇ、グルグル言ってんな! 人のひざの上でくつろぎ過ぎじゃね?」


 と言って、わたしのひげを引っ張ったり、


「えび反りCだ!!」


 と言って、わたしをつついたり……


 ちっとも休まらないじゃない!!!


 わたしがお姉ちゃんのひざの上で寝ている時には触らないで欲しいの!!


 お姉ちゃんもお兄ちゃんと離れて、せめて手の届かないところに座ればいいのに!



 あなたもそう思うでしょ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る